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功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ニンジャ・キッズ』

2007-10-18 22:40:16 | カンフー映画:駄作
「ニンジャ・キッズ」
「激闘!忍者暗殺軍団」
鬼面忍者/亡命少主/少主復仇
Ninja Kids
Venom of the ninja 1/Venom of the Ninja 2/Venom of the Ninja 3
Ninja Death 1/Ninja Death 2/Ninja Death 3
Ninja Tiger 1/Ninja Tiger 2/Ninja Tiger 3
1985(1987?・1983?)

▼郭南宏(ジョセフ・クオ)晩年の監督作である…が、この作品には謎が多い。
本作は上記の邦題がある通り日本でもリリースされた事がある。そして私が見たのは『Martial Arts 50 Movie Pack』に収録されているものだ。ところが『Martial Arts 50 Movie Pack』収録版はどういう訳か3つの作品に分かれている。これは『Martial Arts 50 Movie Pack』だけではなく、他の功夫映画やニンジャ映画のDVDパックでも同様のタイトルを確認したので、恐らく他でも3つに分割されたものが出回っていると見られる。
ちなみに出演は羅鋭(アレクサンダー・ルー)、台湾へと渡った"五毒"の鹿峰(ルー・フェン)と江生(チャン・シェン)、そして郭南宏作品の常連・龍冠武などだ。

■ストーリーはかなりややっこしい。なにしろ三本分の大容量なので仕方がないが、簡潔にすると(これでも簡潔に説明しています)こうだ。
羅鋭は娼館で小間使いとして働いていたが、育ての親である龍冠武が突如として無理矢理な修行を施し始める。実は羅鋭は日本の姫の忘れ形見で、龍冠武は姫を守りきれず、赤ん坊を伴って中国まで脱出してきたという。敵は鹿峰が率いる忍者軍団で、いよいよここまで嗅ぎつけてきたようだという。
忍者軍団の襲撃と過酷な修行の果てに羅鋭はめきめきと強くなるが敵は強い…そこで龍冠武が封印していた忍者装束に身を包み、鹿峰のアジトへ単身乗り込んだ。しかしそこに立ちはだかったのが鹿峰が笛で操る鬼面忍者だった。この鬼面忍者は龍冠武のかつての兄弟で、龍冠武は必死に呼びかけるが効果はなかった。
ピンチのところを仲間の黒忍者に救われ、羅鋭に事のあらましを説明した龍冠武は事切れてしまう…。ここまでが『Martial Arts 50 Movie Pack』に収録されている『Ninja Death 1』だ。

『Ninja Death 2』からは『Ninja Death 1』の映像を多数流用しつつ、羅鋭と黒忍者の妹(さくらという名前らしい)が、見てるこっちが恥ずかしくなるようなラブラブ修行(笑)でひとまずブレイク。そこに盲目の江生(かつての龍冠武の仲間で黒忍者の師匠)が登場し、今度は江生が羅鋭に修行を施した。
その後は黒忍者の妹が捕まったり、生きていた?姫が現れたり、鹿峰が襲撃したりと色々あって、忍者軍団に襲われた羅鋭は滝壷へ没する。そこで羅鋭は白髪の老人に助けられるが、寝惚けて老人の孫娘を手篭めにしてしまい(!)、とっとと江生たちのところへ帰ってしまう。
一方で逃げ出した黒忍者の娘は忍者軍団の追っ手から逃れていた。鬼面忍者はふんどし一丁で牢屋から脱走するわともうメチャクチャだ。
戸惑う視聴者をよそに話はどんどん進み、今度は黒忍者が龍冠武の持っていた覆面忍者を継いで鹿峰のアジトへ踏み込んだが、鹿峰が手強く一字退却を余儀なくされる。今度は帰ってきた羅鋭が江生と特訓していたが、そこに暴走殺人鬼と化した鬼面忍者が登場。これを鹿峰が回収する。

完全にストーリーが破綻しているにもかかわらず物語は続き、『Ninja Death 3』では羅鋭が江生に導かれて少林寺っぽいところで3人の妖しげな師匠と闘う。続いて鹿峰のアジトに姫の側近が忍び込むが、1人が殺されもう1人は命からがら脱出する。これまた忍者軍団の追っ手が迫るが、つくづく追っ手を放つのが好きな連中だ(苦笑
これ以降は追ったり追われたり裏切ったり裏切られたりとグダグダなストーリーが続き、最後は江生を殺された羅鋭たち3人がアジトに攻め込み大乱闘を展開する。正直粗筋だけを書くのも辛いぐらいだったが、ストーリーは以上である。

▲先に紹介した日本版ではこのグダグダな長いストーリーが一本(90分)に纏められていると聞くが、この全長版(と、一応呼称します)の尺の長さは異様だ。流用映像を抜きにしても軽く3時間近くはあるし、この状態で一本扱いだとすると本作はかなりの大長編という事になる。
作中のアクションはかなり高度なものをポンポンと展開しているが、それも全部過剰な早回し処理によって台無しになっている(これはいくつかの羅鋭作品でもいえる事)。それに最初こそは凄いと思っていても、3時間近い長尺なストーリーと共に追っていくのはいくらなんでもキツいものがある。アクションと物語の比率で言えばアクションの時間は2時間くらい続くのだ。

果たして、もともと90分だったものに追加撮影をしたものがこの『Ninja Death』シリーズなのか?
それとも、逆にこの3時間近い全長版を縮めて90分にしたのが『鬼面忍者』なのだろうか?
もしかしたら単に電視劇だったものを総集編的にまとめたのなのか?(もっとも、作中はかなりお色気シーンがいっぱいあったのでこの可能性は薄い)
そもそも、90分の日本でもパッケージ化されているものと全長版のどちらが正規のものなのか?
それを知っているのは、それこそ今や天の人となってしまった郭南宏だけなのかもしれない。
(日本版を見た事がある人がいたら、どんな感じだったか聞いてみたいところです)

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