功夫電影専科

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追憶:香港映画レーベル(03)『霊幻道士6/史上最強のキョンシー登場!!』

2013-11-10 23:51:21 | カンフー映画:駄作
「霊幻道士6/史上最強のキョンシー登場!!」
原題:音樂僵屍/天外天音樂精靈
英題:The Musical Vampire/Musical Corpse
製作:1992年

▼成龍(ジャッキー・チェン)が『ドラゴン・ロード』で古典的な功夫スタイルを辞めて以降、日本で公開される香港映画は(旧作の上映を除けば)現代アクションが主流となっていました。
『少林寺』や『最後の少林寺』のような映画も僅かに公開されていましたが、時代はスタイリッシュな現代アクションを求めたのです。しかし、90年代の古装片ブーム到来によって、功夫片は再び息を吹き返していきます。
『ワンス・アポン・ア・タイム/天地大乱』の登場は、多くの功夫映画ファンを驚かせました。その作風は従来のものとは全く違っていましたが、ワイヤーワークを駆使したアクションはダイナミックさに富み、功夫片の新たなる可能性を示したのです。
 東和ビデオは、こうした作品を「極東ハリウッドシリーズ」としてリリースしました。そのラインナップは豊富で、『ワンチャイ』三部作や『スウォーズマン』、『ツインドラゴン』といったジャッキー映画なども名を連ねています。
かくいう私も、初めてレンタルした香港映画が『天地大乱』だったこともあり、このレーベルには特別な思い入れがあったりします。しかし……。

■ぐうたら道士の馮淬帆(フォン・ツイフェン)は、弟子の李家聲と熊欣欣(チョン・シンシン)を伴ってキョンシーを送り届ける仕事をしていた。その道中、李家聲は移送中のキョンシーを西洋人の科学者に強奪されてしまう。
科学者の実験によって凶暴化したキョンシーは、科学者をはじめ近隣の住民を次々と殺害。対応に乗り出した警察隊長・曹査理はまるで役に立たず、彼は馮淬帆たちを脅してキョンシー退治に差し向けた。
 しかし、実験で強化されたキョンシーには術が効かず、唯一の弱点である「音楽」を使った作戦も空振りに終わった。たまらず逃げ出す馮淬帆一行だが、曹査理に発見されて銃殺刑に処されることに…。
そんな彼らの窮地を救ったのは、くだんのキョンシーを追っていたベテラン道士の林正英(ラム・チェンイン)であった。彼は日食の力を利用し、最後の決戦へと挑んでいく。不死身のキョンシーと道士コンビ、勝つのはどっちだ!?

▲同レーベルは、かつて「香港エンターテイメント」からリリースされた『霊幻道士』系列を引き継ぎ、いくつか続編を発売しています。しかし実際は続編とは名ばかりの無関係な作品が大半を占めており、品質に問題のある物も含まれていました。
『霊幻道士完結篇/最後の霊戦』『霊幻道士5/ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!』はゴールデンハーベスト製、『霊幻道士7/ラスト・アクション・キョンシー』は第1作のスタッフによる作品なのでまだマシですが、本作はシリーズ中でも特に劣悪な1本として知られています。
 ストーリーは基本的に行き当たりばったりで、第1作の有名なギャグを臆面もなくパクったり、面白みのないやり取りが延々と続いたりします。主役が林正英ではなく馮淬帆一行なので、『霊幻道士』ファンはさぞガッカリしたことでしょう。
人物設定に関しても、キョンシーを紛失しても素知らぬ顔をしている李家聲、ひたすらイヤミで鬱陶しい曹査理、村人の安全より村のイメージが損なわれることを第一に心配する村長など、悪い点を挙げるとキリがありません。
 アクションも野暮ったく、唐偉成(ウィルソン・タン)の監督作にしては雑な印象を受けます。最終決戦では林正英が関刀を振るい、キョンシー映画らしいギミックも登場するのですが、本作の特色である「音楽で大人しくなるキョンシー」という設定が完全に蔑ろにされていました(爆
このように「極東ハリウッドシリーズ」は、多くの名作を日本語吹替え入りで発売する一方、本作のように駄作を勝手にシリーズ化してファンを驚かせるなど、多種多様なラインナップを展開。良くも悪くもファンの記憶に残るレーベルとなりました。
そんなわけで、今回は比較的有名なレーベルを取り上げましたが、次回は90年代に乱立した大小のレーベルについて触れてみたいと思います。

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1 コメント

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やぶうちまさあき (やぶうちまさあき)
2017-12-18 20:31:33
げーむげーむげーむげーむ
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