功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『リアル・キックボクサー』

2009-03-20 19:34:36 | マーシャルアーツ映画:中(1)
「リアル・キックボクサー」
原題:AMERICAN KICKBOXER 2
製作:1993年

●突然現れた謎の男たちによって、キャシー・シャワーは我が子を目の前で誘拐されてしまう。多額の身代金を要求されて警察も頼れぬ中、キャシーは2人の男に望みを託した。1人は彼女の離婚した夫であるデイル・"アポロ"・クック、もう1人は彼女の元恋人で
あるエヴァン・ルーリーだ。2人とも腕っ節の方は文句なしの実力者だが、過去の確執で決して馴れ合おうとはしなかった。しかし連れ去られた娘はクックかエヴァンどちらかの子であるため、2人は協力して敵に立ち向かっていく。ところが、真の黒幕は意外なところに姿を見せ…。
『 バトル・ウルフ』に続き、再びクックの主演作の登場だ。原題を見ても解るとおり『アメリカン・キックボクサー』の続編である…ようだが、キックボクサーすら出てこないのでタイトルだけの続編ということなのだろう。
作品自体はひと捻りを加え、単なる格闘映画ではないストーリーを作り上げている。が、本作は最初の30分が全く面白くない。なにしろ短気な暴力夫のクックを筆頭に、女の事しか考えていないロクデナシのエヴァン、浮気しまくりなキャシーと、登場人物が揃いも揃ってアホキャラばかりなのだ。そのため前半30分がとても見辛くて鬼門なのだが、クックとエヴァンが協力し合うところから徐々に話は盛り上がりを見せていく。
 作中の格闘シーンは上質で、クックとエヴァンのファイトスタイルもきちんと差別化が図れており、受けのスタントも含めて上々の出来である。特に素晴らしい動きを見せていたのがエヴァンで、ラストではクックを差し置いて格闘シーンの見せ場を一人占めしている。彼は他にも『ダブル・インパクト』『アンダー・カバー』『タイガークロー2(未公開作)』等、幾多の格闘映画に関わってきた経歴を持つ。いっそのこと、クックじゃなくてエヴァンが主役でも良かったと思うが(苦笑)きちんと2人の対戦も用意されており、格闘シーンへの配慮も行き届いている。
ただし、ラストバトルがゴチャゴチャしていてこれといった山場が無く、前述した登場人物の不備も含めて不満は若干残る。キャシーを巡るやり取りを半分ぐらいカットし、そのぶん格闘シーンに凝っていれば更に面白くなったはず。流石に『バトル・ウルフ』並みの傑作ではないが、この手の作品では良質な部類に入るのではないだろうか。

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