功夫電影専科

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『ジャッキー・チェンの醒拳』

2007-06-29 22:36:40 | 成龍(ジャッキー・チェン)
「ジャッキー・チェンの醒拳」
「新クレージーモンキー/大笑拳」
龍騰虎躍
Fearless Hyena II
1982

●ジャッキー主演!…ではありません。
これは『必殺鉄指拳』と並び酷評されるジャッキーinバッタもん映画なのです。
通な人はご存じかも知れないが、本作は『クレージー・モンキー/笑拳』に次いで、羅維(ロー・ウェイ)がもう一本撮影しようとしたところ、ジャッキーが契約残っているのにかかわらず別会社であるゴールデンハーベストへ移籍してしまったことから胆を発している。ようするに、『ヤング・マスター/師弟出馬』にジャッキーが出演してしまった事で放り出されてしまった未完作…だった作品である。とりあえずジャッキーは主演こそしているものの、ほとんどは別の羅維作品からの未使用、流用映像だ。
ジャッキーと父親の田俊&いとこでうるさい機械仕掛けの家に住む惠天賜(ウェイ・ティンチー)とその父親の陳慧樓(チェン・ウェイロー)は、自分たちを追う任世官(ジェン・シーコン)&権永文(クァン・ユンムン)ら殺し屋コンビに狙われる。なんだかんだあってそれぞれの父親殺されて復讐する…という、コメディカンフー作品の王道パターンな話だ。
さすがに流用ジャッキーばっかりでは話が繋げられるわけもなく、惠天賜と韓國財(ハン・クォツァイ)らが登場して中継ぎを担当している。ニセジャッキーも変装したりと悪あがきはしているが、ニセジャッキーの素顔がもろ登場しているシーンがあるけど…いいの?(苦笑
ところで本作で好きなのが任世官と権永文のコンビネーションだ。2人でへんてこなポーズしながらぐるぐる回って分身?とにかく、そんなふたりはプリキュア(爆)っぽい任世官と権永文のパフォーマンスがユニークで面白い。
ジャッキー抜き(武術指導もジャッキーだという話だけど、作品が作品だけに違う可能性大)にしては頑張っている。『笑拳』からの流用と思われるジャッキーVS任世官のラストバトルの一方で行われる惠天賜VS権永文が、個人的にはお気に入りだ。
それにしても、この作品が日本でビデオスルーではなく劇場公開されたとは驚きである(東映配給)。ジャッキー映画を多く配給した東宝東和は後にオリジナル予告編と主題歌が入っている『クレージー・モンキー/笑拳』『蛇鶴八拳』『カンニング・モンキー/天中拳』『成龍拳』らをビデオリリースしているが、本作はのちに他メーカーから発売となっている。

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