一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

タランティーノの「大人買い」

2007-09-18 | キネマ
タランティーノ監督の『デス・プルーフ in グラインドハウス』を観ました。

※ 以下ちょっとネタばれがあります

「グラインドハウス」というのはアメリカの都市の場末にあるB級映画を専門に2~3本立てで上映している映画館のことで、そういうところで上映するような映画をイメージして作ったものです。
もうひとつ、『プラネット・テラー in グラインドハウス』というのと二本立てで製作したようですが、(アメリカではどうだか知りませんが)日本ではそれぞれが単独で上映されています。
配給収入の関係で仕方ないのかもしれませんが、ちょっとケチですよね。


内容は一言で言えば、タランティーノが子供のときに見てドキドキした映画を大人になってお金もつくようになったので好きなように作った、という、いわば「大人買い」のような映画です。


映画の中の会話でも触れられ、オマージュとされているバニシング・ポイント(とにかく目的地まで突っ走るという映画のはしり。予告編の動画はこちら)やバニシング IN 60(これはタイトルくらいしか記憶にないのですが60セカンズとしてリメイクされました。予告編の動画はこちら)、
ダーティ・メリー クレイジー・ラリー
(ピーター・フォンダが暴走します。予告編の動画はこちら)などのカーチェイスものは、僕も昔テレビで観たことがあり、いずれも車を惜しげもなく壊しまくる派手なカーチェイスに感心した記憶があります。
その当時の日本の映画やテレビドラマは、カーチェイスで壊される自動車はだいたい年式落ちの中古車だったりするのとはえらい違いでした。

この映画も70年式のダッジ・チャ-ジャーなど今やビンテージ扱いの車をボロボロにしてくれます。

また上の3つの映画はベトナム戦争などの時代背景もあってか、だいたい主人公は破滅的な最後を遂げる(バニシング・ポイントとかダーティ・メリー・クレージー・ラリー)のですが、この映画でもカーチェイスのシーンで「行き止まりになるなよ、行き止まりになるなよ・・・」とつぶやきながらアクセルを踏むシーンがあったりと芸が細かいです。


『パルプ・フィクション』などと同様、タランティーノ流の無駄なおしゃべりが長々と続きます。しかも今回は女性の集団なのでガールズ・トーク炸裂。
さらにお得意のエロ&グロな演出(こういうの一度やってみたかったんだろうな、というシーン多し)もあり、そういうのに許容度の高い人でないとつらいかもしれません(そもそもそういうのが嫌いな人はタランティーノっていうだけで観ないですよね・・・)

ストーリーを言ってしまうとつまらないのでこのへんでやめときますが、カート・ラッセルの怪演ぶりと『キル・ビル』でユマ・サーマンのスタントを務めたゾーイ・ベルという女性のアクションは見ものです。


僕は昔の映画を思い出しただけでも十分楽しかったです。


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