今年は26日が仕事納めだったので、あいさつ回りなどの年末恒例行事と通常の仕事とそれに忘年会がつまってけっこう大忙しでした。
ということで新聞をにぎわしていた社会ネタに出遅れ感はあるのですが、取り上げられ方の軽重に違和感があったのでひとこと。
マクドナルドの新商品発売、「サクラ」動員は東京でも
(2008年12月27日(土)12:58 読売新聞)
日本マクドナルドのコミュニケーション部によると、渋谷区で11月1日、新商品「クォーターパウンダー」を販売する臨時店舗を開設した際、「盛り上がりを演出するため」、イベント会社が手配したスタッフを開店前に並ばせ、商品を購入させるなどしたという。動員人数は公表できないとしている。
これ、どこが悪いんでしょう?
今や大昔、ハーゲンダッツが日本に上陸したときに一号店にサクラの大学生を並ばせてブームを作ったというのが自慢話で語られていたのですが、世の中の意識が変わったんですかね。
別会社に販促費を渡して商品を購入させ売上を計上して業績があがっているように見せかける、というようなことなら問題かもしれませんが、日本マクドナルド全体の売上に対してサクラが買うのはほんの少しでしょうし。ハンバーガーの公表シェアとかに影響するのでしょうか?
そうだとすると「好評発売中」のような宣伝文句もダメ、ということになりそうな・・・
マクドナルド側も「消費者に誤解を与える手法は見直したい」なんて殊勝なコメントを出さずに、いっそのこと『スーパーサイズ・ミー』の向こうを張って、「30日間食べ放題アルバイト募集」とかやったらいいのではないかと。
こんなことに目くじらたてるよりはこっちの方が相当悪質だと思いますが、こちらは朝日新聞のスクープだったためか、他紙ではあまり取り上げられていません。
障害者郵便、8割が「悪用」 郵便事業会社、差額請求へ
(2008年12月24日(水)23:07 朝日新聞)
正規料金との差額は少なくとも約49億円にのぼる。郵便事業会社(JP日本郵便)が24日、総務省に報告し、公表した。
〈低料第3種郵便問題〉障害者団体の定期刊行物を団体の支援者ら特定の購読者に格安で郵送できる低料第3種郵便物制度。これを障害者団体と提携した広告会社などが、格安でDM広告を送れる手法としてウイルコなどの広告主から契約を取り付け、悪用していたことが朝日新聞の取材で次々に判明した。
で、これに対してチェックできなかったということで
割引悪用問題で改善命令=郵便事業会社に-総務省
(2008年12月26日(金)14:30 時事通信)
ということですが、今回「提携」していた障害者団体の責任は問われないのでしょうか。
この辺「社会的弱者」に対して突っ込みにくいというマスコミ(朝日新聞?)の体質なのかもしれませんが、郵便事業会社も障害者団体に「この郵便物は制度の悪用でしょう」といいにくかったことは想像できます。
行政や企業が遠慮して毅然とした態度に出られないところには悪質な圧力団体がはびこるというのは別の分野で既に実証済みですが、そうなると結果的には真面目な活動をしている人々に迷惑が及んでしまうことになります。
障害者団体もその二の舞にならないように、マスコミ(少なくともせっかくスクープした朝日新聞だけでも)満遍なく問題を指摘してほしいものです。
恣意的な捕らえ方になったら申し訳ないのですが、一人殺すも一万人殺すも殺人には変わりないとすれば、マクドナルドの演出も、しっかりと取り上げるべきかと。
ちなみに「好評発売中」・「絶賛上映中」などは、私が不信を抱く言葉の典型例ですね。
社会的弱者利権に集っている人間は、真面目という価値観を持っていないので、反省・更生させるのは困難でしょう。結果として自分が得をすることが善であり全ですから。
>独立した会社が発表する客観的なニュースに対して演出を加えているのはアンフェアかと。
確かにその切り口はわかりやすいかもしれません。
「初日販売個数」などの発表をしていたとするとマクドナルドは悪いですね。
ただ、マクドナルドが並べたサクラを真に受けて報道したマスコミの方が間抜けだったのでは、とも思います。