一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『北国の帝王』

2010-02-12 | キネマ
この映画は、中学生か高校生のときにテレビで観て、題名は忘れたもののずっと記憶に残っていたのですが、TSUTAYAをぶらついていて発見し、即鑑賞。

期待にたがわず面白かった。


1973年の作品ですが、舞台は1930年。大恐慌下のアメリカで、職を求めて国内を渡り歩く定職・定住先を持たない"Hobo"と呼ばれた連中がいました(親父ギャグ自粛)。映画は、移動のために貨物列車などに無賃乗車を繰り返すHoboとそれを取り締まる車掌の戦いの話です。

Hoboのただ乗りを許さず、見つけるとハンマーで殴って殺すこともいとわない名物車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン:『ポセイドン・アドベンチャー』に出てましたね)と無賃乗車の名人A-No.1(エース・ナンバーワン、という分かりやすいあだ名、リー・マービン-記憶だとジェームズ・コバーンだったんだけど)の戦いを描きます。


とにかく問答無用の男と男の闘い、登場人物に一人も女性が出てこない、というかほとんどがオヤジ、それもHoboと機関車の運転士や保線要員というような汗臭く油臭い男ばかりです。

シャック対A-No.1の対決も、自分の列車に乗せたくない対乗ってやるという男の意地の対決で、最近の映画のようにPolitical Correctnessを気にしたりはしません。
A-No.1のシャックの暴力行為に対する義憤とか、列車に乗らなければならない背景事情などはおかまいなしの潔さです。

敵役のアーネスト・ボーグナインの迫力が特筆モノで、今風に言えば最初から最後までボスキャラ対決という贅沢な映画です。

A-No.1の座を狙おうとからむ若者も出てきますが、それに対しても「いい指導者」などという気持ちは微塵も持たずに、世の中の厳しさを徹底して叩き込みます。


問答無用の面白さを楽しめる映画です。




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