一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

感心したこと、ちょっと心配なこと。

2005-07-13 | よしなしごと
朝、NHK BS-1の世界のニュースを見ることが多いのですが、BBCのテロに関する報道を見ると、妙にヒステリックにならず、憶測を交えずに淡々とした姿勢に感心します。

日本のテレビ局のロンドンからの中継のけたたましさと比べると、彼我の成熟度の違いも感じます。

今回は捜査機関の対応も早く、また、こちらも過剰な憶測を交えずにマスコミに必要な情報を提供しているように思います。
(911の時のFBIとCIAの責任のなすりつけ合いを反面教師にしたのかもしれません)

市民も冷静にかつ毅然と日常生活を送っているようで、IRA以来良くも悪くもテロを日常生活のリスクとして受け止める土壌(度量?)があるのかもしれません。


さらに今回はあらためてブレア首相に感心しました。

サミットの成果についてのコメント

「確かに今回のサミットの成果には、テロの凄惨さほどのインパクトはないが、合意の核心には誇りと希望と人間性とがあり、それらはテロリズムの影を払いのけ、よりよい未来を照らすことが出来るに違いない」

Flanked by all the leaders at the G8 summit, Mr Blair said their deal did not have the ghastly impact of terror.
"But it has a pride and a hope and a humanity at its heart that can lift the shadow of terrorism and lead the way to a better future," he said.

と言っています。
※より詳細はこちら

重要な局面においてリーダーとして何が求められているか、何が人心を鼓舞するかをわかっている人の発言だと思います。
(ここ一番で自分を鼓舞する発言をする人はわが国にも結構いますが・・・)



ところで、先日一緒に飲んだ中の事情通によると、今回のテロはロシアのプーチン大統領がいちばんショックだったのではないかと言う話です。

2006年のG8サミットはロシアがホスト国になり、サンクトペテルスブルグで開催されるそうです。

実はサンクトペテルスブルグはプーチンの地元で、いわば故郷に錦を飾る形になります。

ところが今回のテロでサミット会場以外が標的にされたことで、サンクトペテルスブルグのサミットの際も、モスクワでのテロの可能性が高まりました。
つまり、ロシア政府は2つの大都市で同時にテロ対策をする必要が生じたわけです。

アルカイダだけでなくチェチェンの武装勢力の問題や、そもそも「治安強化・強権型」の政権・治安部隊の性格から、来年に向けてロシア国内でかなり強圧的なテロ抑止活動が展開される可能性があるのではないか、ということです。


せっかくイギリスが成熟した対応をしている中で、不用意に刺激しなければいいのですが。
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