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一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

緑資源機構

2007-05-31 | よしなしごと
数年前に簡単な林業のスタディをしたことがあります。
(以下、うろ覚えのうえに裏も取ってないので、とんでもない勘違いがあるかもしれまないことをご承知の上、眉につばをつけてお読みください)


日本の林業というのは基本的にはほとんど儲かるものではありません。
自営の林業家は自分の保有している山林は少なく、一方で大口の山林保有者は自分で維持管理するほどの人手を持っていません。
そこで、多くの山林は地元の林業家が組成する林業組合に山林の手入れを委託しています(作業の効率もよいので)。

そして、大体山林の維持管理費用は、間伐材の収益+補助金とトントンで、数十年に1回の材木を切り出しでようやく利益が出る、という構造です。
しかし、切り出すまでには何十年もかかりますし、切り出した後には苗木を植えなければいけないので、投資期間などを考えるとあまり儲かる商売ではなかったと記憶しています。

その意味では、補助金によってかろうじて森林を整備するインセンティブが保たれているわけですが、災害の防止、乱伐の防止などのためには必要なんだなぁ、と思った記憶があります。


ニュースを見ると今回の緑資源機構の談合は、林業に直接かかわる水源林造成事業ではなく、土木工事的な緑資源幹線林道事業農用地総合整備事業において行われていたようです。

多分森林の整備は談合以前にプレイヤーが少ない(企業が参入しても経済的なメリットがない)からではないかと思います。


今回の談合で機構自体や補助金の存在が問い直されることになると思います。
総論的には文句のつけにくい補助金と部外者が入りにくい構造の中での完成された仕組みが、結局自らの首を絞めたことになります。

ヒトにしか感染しない上にウイルスも強力で感染による突然変異をしなかったために、ワクチンで根絶されてしまった天然痘ウイルスを思い出しました。


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