一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『罪の声』

2017-03-27 | 乱読日記
面白かった。

グリコ・森永事件は証拠の多さや犯人(グループ?)の行動の特異さから、格好の小説の題材になりそうだが、実際には高村薫の『レディー・ジョーカー』くらいしかないのは、陳腐にならない犯人像の造形が難しいということもあるのかもしれない。

本書は、身代金取引の声が幼少期の自分の声であることに気づいた男性と、事件特集の企画に駆り出された畑違いの文化部の新聞記者が31年前の事件の謎を追う、という構成で、事実関係や証拠を一つ一つ辿りながら犯人像に迫る、という構成をとっている。

証拠に現れた犯人の行動の不自然な点から、犯人グループの全体像を導くところは圧巻の迫力がある。

電子書籍で通勤の合間に読もうと思ったが一気読みしてしまった。
各賞やランキングで上位に入るのも納得。


コメント
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