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日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

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有害鉄鋼スラグ事件 大同特殊鋼と関連会社に強制捜査 黙認してきた県の責任も重大

2015年09月13日 | 有害スラグ
大同特殊鋼による有害鉄鋼スラグバラマキ事件は、警察の強制捜査という新たな段階を迎えました。この問題では、一昨年から議会のたびに取り上げてきました。今年の2月には一般質問でも追及しました。「大詰めを迎えている」といいながら、それから半年以上も刑事告発を引き延ばしてきた群馬県の責任も重大です。参考までに議事録をアップします。

平成27年第1回定例会 2月27日 一般質問より スラグ問題に関する部分の抜粋(会議録検索システムから)

◆酒井宏明 議員 大同特殊鋼の有害鉄鋼スラグの撤去と刑事告発について伺います。
 この問題で私は1年半も前から委員会などで取り上げてきました。ようやく国交省も調査をして、フッ素や六価クロムなど有害物質の濃度が基準値を超えるところでは撤去作業が一部で始まったということですが、未だにスラグがむき出しになっているところですとか、東吾妻の土地改良事業では舗装をかぶせてしまったというところもあります。渋川地区広域圏の一般廃棄物最終処分場にもこの鉄鋼スラグが使われていることが明らかとなっております。県は先日の一般質問で大詰めを迎えていると答弁をされましたが、具体的にどういうことでしょうか。廃棄物として早急に判断して全面的に撤去すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、関係者を刑事告発するとともに、こうした不法投棄がなぜ行われたのか徹底的に究明し、再発防止策を講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか。

◎青木勝 環境森林部長 大同特殊鋼株式会社のスラグ問題でありますけれども、これは御質問にもありましたが、24日の一般質問で星名県議の御質問にもお答えしたとおり、スラグの廃棄物への該当性も含めて今調査を行っております。現在、国と最終協議を行っております。結果が得られ次第、関係法令に基づいて適切に対応してまいる所存であります。

◆酒井宏明 議員 大詰めを迎えているという内容が聞かれないんですけれども、これは刑事告発も準備しているということでよろしいのでしょうか。

◎青木勝 環境森林部長 調査結果を得て判断をしてまいるということでございます。

◆酒井宏明 議員 国も、このスラグ自体に有害物質が含まれるなら、これは混ぜても再生資材とは認めていないですね。つまり、廃棄物を有価物として使用したら、それは違法だということは国も認めているわけです。大同特殊鋼はスラグ使用箇所の一部撤去費用に応じるということですが、逆有償取引までやってリサイクル偽装を行ってきた確信犯でありまして、きちんと刑事責任を明らかにする必要があると思います。化学メーカー石原産業の土壌埋め戻し材フェロシルトの不法投棄事件では、関係者が廃棄物処理法違反で逮捕されております。今回の事件もよく似た構図であります。混ぜて、つまり薄めて有価物として販売してしまい、これを県も黙認してきたということではありませんか。不作為、怠慢のそしりを免れません。速やかな撤去と関係者の刑事告発を強く要請したいと思います。環境森林部長、ありがとうございました。




2015.9.13 「しんぶん赤旗」社会面より
【補足】記事中「54カ所で土壌から環境基準を超えるフッ素などが検出されました」とありますが、スラグ自体からは93カ所で環境基準を超えています。


【9月11日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)



平成26年6月6日 環境農林常任委員会(環境森林部関係)会議録より

(14)大同特殊鋼(株)渋川工場のスラグ問題について

酒井委員
 大同特殊鋼株式会社渋川工場から出たスラグに関し、環境基準を超える有害物質が含まれていた問題について、質問したい。27工事についてスラグ採石を使用したことを認めているが、調査概要、またこの27ヶ所でどのくらいスラグが使用されていたのか伺いたい。

小笠原環境保全課長
 県土整備部において、27ヶ所について品質規格証明書により安全を確認しているが、念のため27ヶ所のうち使用年度や使用量、使用場所を勘案して、6ヶ所の工事について再度スラグの分析を行った。その結果、6ヶ所すべてでスラグが日本工業規格の環境安全品質基準に適合していることが確認され、5月9日に検査結果が発表された。

酒井委員
 環境基準値以下と言うが、県が調査した別の場所で土を掘って試験したところ、すぐにアルカリ反応を示したところもあった。また日本共産党渋川市議団が独自に調査したところ、基準値の6倍近い値を出したところがある。県は抽出で6ヶ所調査とあるが、27ヶ所すべてで調査すべきではないか。

小笠原環境保全課長
 繰り返しになるが、県土整備部において27ヶ所、品質規格証明書で安全性を確認している。念のため、6ヶ所の工事について検査をし、その結果、基準に適合していることが確認されたということである。

酒井委員
 品質規格証明書で証明されていると言っても、そのこと自体が疑わしいと思われる。また、3月27日に水資源機構が発表しているが、群馬用水の管理用道路にスラグを使用した事実で、8ヶ所調査したところ、全部でフッ素が基準値を超えていたという事実がある。工事箇所の前橋市も緊急対策として管理用道路を通行止めにした。これらの事実を県としてどのように受け止めているか。

小笠原環境保全課長
 県以外の工事について、国土交通省関連では45工事でスラグが使用されたと聞いている。国土交通省では45工事のうち、品質規格証明書で安全性が確認できなかった6工事について、再検査したところ、1工事、渋川市半田の国道17号線沿いで基準値を超えていた。その地点について、環境保全課では、県民の安全を第一に、工事カ所周辺の7ヶ所にある井戸を調査したが、地下水汚染は認められなかった。次に、水資源機構については、8カ所で基準を超え、用水路であるので、適切な措置を要請している。最後に、渋川市の状況について、38ヶ所でスラグが使用されていることが明らかになっており、複数ヶ所で汚染が確認されている。現在、渋川市で調査中であり、県への報告を踏まえて適切に対応をしていきたい。

酒井委員
 表向きではスラグを売るふりをしながら実際は処理費を出す、このような逆有償取引という形態、本来廃棄物として処理しなければならないものと思われるが、その辺りの見解はどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 廃棄物になるかならないかの判断は、物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思等を総合的に判断するものである。スラグに関して、長い期間に渡って様々な形態で流通されていることを把握している。廃棄物・リサイクル課では現在、廃棄物処理法に照らして、抵触の可能性について、立ち入り検査や報告の徴収等を通じて総合的に判断していきたい。

酒井委員
 三重県の大手化学メーカーで、土壌埋め戻し材を不法投棄したことで、大阪地方裁判所が賠償命令を出した。判決内容も「有害物質を含む廃棄物と認識しながら、安全性確認を怠り、巨額回収費用がかかるのを知りながら、出荷し続けた」として賠償責任を命じ、同時に廃棄物処理法違反として刑事事件にも発展している。大同特殊鋼株式会社等、刑事事件として告発すべきと思うがどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 現在、色々な資料を取り寄せたりして事実確認の上、廃棄物処理法に抵触するか否か判断したい。

酒井委員
 今でも渋川スカイランドパーク駐車場に敷砂利として使用されており、むき出しの状態になっている。群馬用水の管理用道路も生活道路として使用されている。周辺住民に周知徹底すべきと思う。そのような汚染土壌を大同特殊鋼株式会社等の責任で除去させるべきと思うがどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 調査結果により廃棄物処理法に照らした上で、措置について考えたい。

酒井委員
 こういう状況について、土壌汚染対策法により措置命令や費用請求等もできると規定されている。汚染物質の除去について、早急に対策を打つべきと思うがいかがか。

青木環境森林部長
 このたびのスラグ問題については、県としても由々しき問題として捉えている。県としても法に照らしてきちんとやるべきことはやっていく、今後、調査等に展開があれば報告したい。

酒井委員
 法に則って、厳正に対処して欲しい。


平成26年12月5日 環境農林常任委員会(環境森林部関係)会議録より

5)大同特殊鋼の鉄鋼スラグについて

酒井委員
 鉄鋼スラグの関係で、先日国交省が八ッ場造成地などを試掘して、11月27日に中間報告という形で出したが、この中で鉄鋼スラグを26工事で確認し、大同特殊鋼に聞き取り調査を行った結果、鉄鋼スラグを出荷した記録がある等の報告があったが、県としてどう受け止めているのか。

小笠原環境保全課長
 中間結果の報告について、国交省では平成20年度以降の工事箇所について調査を行ってきた。但し、この問題が広く顕在化したことで、平成3年度以降まで対象を広げたところ、工事箇所が3,800箇所、その中でスラグ使用が疑われるところが56箇所であった。国は工事の発注者として実態把握に努めているものと、県としては認識している。

酒井委員
 分析試験を実施するとのことだが、結果はいつ頃出る予定なのか。

小笠原環境保全課長
 近くまとまると聞いている。

酒井委員
 11月26日、国・県・渋川市と連絡会議を行った。県の環境部門がメンバーに入っていないのは何故か。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 この会議の目的は公共事業発注部門が、相互の情報共有をはかり連携していくことと聞いている。環境部門とするとまずは関係者からの報告を徴するなどして、全容解明を進めていきたい。

酒井委員
 国会でも、11月12日に問題となっているが、廃棄物である鉄鋼スラグと自然砕石を混ぜたとしても、廃棄物でなくなるわけではないと答弁があった。これは重要な答弁であると思う。つまり薄めても廃棄物であるという点で、本県の対応が問われていると思うがどうか。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 環境省とも十分協議しながら進めているところである。まずは廃棄物処理法上、どう判断し整理していくかについて最大限の努力をしていきたい。

酒井委員
 今回の件を踏まえて、リサイクルの促進についてもきちっとルールを作っていく必要があると思う。県で検討を始めているとかそういうものがあればお聞かせ願いたい。

根岸廃棄物・リサイクル課長
 ただいまこの問題の全容解明に向けて全力を払っているところである。今後、これらを踏まえてリサイクルに関して、どのような仕組みがつくれるか協議していきたい。