日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

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「戦争法案」廃案を求める意見書を採択せよ 第2回定例会が閉会 酒井議員が反対討論

2015年06月12日 | 群馬県議会
第2回定例県議会が本日閉会しました。私が、議案と請願結果の一部に反対する討論を行いました。
以下、その全文です。

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今期初めて登壇します。酒井宏明です。日本共産党を代表して、通告してあります、議案および請願について委員長報告に反対の立場から討論を行います。

第115号議案および承2号のうち法人事業税の税率変更についてです。これは、所得割を引き下げる一方で、外形標準課税の税率を2年かけて2倍に引き上げるものです。県内の対象企業は2062社、そのうち赤字の企業は278社。所得が赤字の法人でも、賃金などを合わせれば付加価値がプラスとなり、容赦なく課税されることになります。
一方で、資本金10億円以上の大企業には減税に次ぐ減税。内部留保は285兆円に上ります。赤字の企業から搾り取って、空前の利益をあげている大企業には減税の大盤振る舞い。やることが逆さまではないでしょうか。富の平準化を図るという税の目的に反し、将来小規模法人まで適用されるおそれのある外形標準課税の拡大には、反対です。

116、117号は、共通番号制、いわゆるマイナンバー法施行に伴う関連条例の改正です。
今回発覚した日本年金機構による125万件もの個人情報の大量流出は、マイナンバー対象の年金情報そのものです。番号の利用範囲がよりデリケートな個人資産や医療情報へと広がることで、ひとたび情報が漏えいすれば、プライバシー侵害はさらに深刻になります。
来年1月から、年金や雇用保険、税金申告などの手続きの際に、個人番号の記載がもとめられます。個人に代わって税や社会保険の手続きを行う勤務先や金融機関などにも番号を提出しなければなりません。しかし、民間事業者すべてが番号を適正に管理することは不可能です。東京商工会議所でも1万件以上の会員企業情報の大量流出が判明しました。どんなにセキュリティ対策を講じてもサイバー攻撃から絶対安全とは言い切れません。
政府の言う「国民の利便性向上」よりも、個人情報の流出や他人による番号の不正利用、なりすましなどによる犯罪被害の方がはるかに深刻です。
マイナンバー制度は中止すべきです。よって本議案に反対です。

122号は、八ッ場ダム予定地の県道路線を廃止する議案です。除雪など道路管理の負担を町に負わせるものであり、認められません。

次に、請願についてです。
厚生文化1号、産経土木2号は、旅館ホテルや大規模小売店舗の耐震改修促進の請願です。宿泊客・利用客の安全性を最優先し、県としても補助制度を創設すべきです。よって、継続でなく採択を求めます。

産経土木1号は、「記憶 反省 そして友好」の追悼碑、いわゆる朝鮮人犠牲者追悼碑の設置期間更新を求める請願です。
戦時中、多くの朝鮮人が日本に連行され、過酷な労働を強制されたことは歴史的事実であります。追悼碑は、こうした蛮行を記憶、反省するとともに、犠牲者を悼み、平和と友好を願い建立されたものです。県議会も全会一致で認めた、県民共有の財産にほかなりません。
追悼集会での政治的発言などを理由とした県の撤去命令は、難癖をつけて、一部右翼団体、レイシストの理不尽な要求に屈した恥ずべき行為であり、県政史上の汚点といっても過言ではありません。
むしろ、戦後70年という節目の今年こそ、県主催で朝鮮人追悼行事を行うべきではないでしょうか。また、差別感情をあおる在特会などの妨害行為やヘイトスピーチに対してこそ、厳しい姿勢で臨むべきです。
朝鮮人追悼碑を撤去する道理は微塵もなく、設置許可の更新を求める請願は当然の願いです。不採択に強く抗議し、採択を主張します。

次に、総務企画1号及び5号は、高崎競馬場跡地へのコンベンション施設計画の見直しを求める請願です。
この間の論戦で、計画のずさんさが浮き彫りとなり、県は需要調査をやり直しました。展示場の規模は5千平方メートル未満という回答が圧倒的だったにもかかわらず県は結局、最大2万平方メートル、当初計画より100億円も多い380億円と上方修正しました。いったい何のための調査でしょうか。
全国で同様の施設が苦戦しています。北陸新幹線も最速列車は高崎に停車しません。
周辺住民からは「静かで安心して生活できる環境が壊される」「地域が分断される」など不安の声が出されています。
需要調査も住民の切実な声も無視した「箱モノ先にありき」では、将来に禍根を残します。八ッ場ダムと同様、巨大な負の遺産になりかねません。既存の施設の有効活用と、奇跡的に残された貴重な空間を市民県民の立場で生かすことこそ求められています。よって両請願の採択を強く求めます。

同2号および4号は、戦争法案の廃案などを求める請願です。
安倍政権は、「平和安全法制」というごまかし、偽りの看板で、憲法9条を破壊し、アメリカと一緒に戦争する国づくりをすすめています。
今月4日の衆院憲法審査会では、与党も含めて合意した参考人の憲法学者3人がそろって、戦争法案は「憲法に違反する」との認識を表明しました。集団的自衛権を「合憲」だとする政府の論拠がことごとく崩れ去り、戦争法案の違憲性とともに、この法案を推進する勢力の異常な対米従属性、歴史逆行性が浮き彫りとなりました。
さらに、国民の多数が「今国会での成立」に反対し、8割が政府の説明は「不十分」とこたえています。圧倒的多数の憲法学者研究者が反対を表明しています。昨日、群馬弁護士会が廃案を求める声明を出すなど、県内でも急速に反対世論が高まっています。
それにもかかわらず、「夏までに成立」などと、法案を強行成立させようとしていることは、民主主義を真っ向から否定する暴挙です。憲法破壊のクーデターを断じて認めるわけにはいきません。
米軍横田基地への配備が計画されているCV22オスプレイは墜落事故を何度も起こしている危険な軍用機です。群馬上空はこれまでも米軍艦載機の低空飛行訓練が繰り返されてきました。オスプレイの配備で、県民がさらなる危険と不安にさらされることは明らかであり、認めるわけにはいきません。よって本請願の採択を強く求めます。
あわせて防衛省の騒音測定器の設置に伴い休止となっている本県の測定器の有効活用を求めます。

残余の請願については、かねてからの理由により委員長報告に反対です。
間近に迫った県知事選挙は、国いいなり、箱もの大型開発優先の県政の継続か、それとも無駄遣いをなくし、暮らしと福祉最優先、憲法を暮らしに生かす県政への転換かが大きく問われていることを強調して、私の反対討論といたします。