日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

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第3回定例県議会が閉会 酒井県議が反対討論 不要不急の大規模開発に反対

2014年12月15日 | 群馬県議会
群馬県議会第3回後期定例会は15日、ウイルス性肝炎患者の定期検査費用への助成などを盛り込んだ一般会計補正予算や県交通安全条例などを採択し、閉会しました。
私が反対討論に立ち、八ツ場ダム関連の橋梁工事や上信道へのアクセス道路の橋梁工事について、大規模開発の典型であり、不要不急だとして反対しました。
「消費税増税撤回の意見書提出を求める請願」について、4月からの消費税8%増税が「増税不況」を招き、県民は物価上昇、収入減、社会保障削減の三重苦を強いられていると批判。消費税増税の先送り実施でなく、きっぱり中止することこそ求められているとして、不採択に反対し、採択を主張しました。
「農政改革に関する請願」について、政府が進める「農政改革」は、日本農業と国民の食を支えてきた家族農業を否定し、農業と農地を企業のもうけのために開放し、その障害となる農業委員会や農協を事実上解体させるものだと指摘。農業政策の基本を企業の参入・進出に置くのではなく、家族経営を基本とし、それを支える諸制度の充実、地域コミュニティーの維持、協同組合の発展こそ重要だとして、本請願の採択を求めました。
このほか、柏崎刈羽原発の再稼働に反対する請願、朝鮮人追悼碑の設置許可更新を求める請願、八ツ場ダム本体工事を中止し、吾妻渓谷の保存を求める請願、高崎競馬場跡地へのコンベンション計画の再検討を求める請願について、それぞれ採択を主張しました。

以下、その全文です。

日本共産党県議団の酒井宏明です。通告してあります。各議案および各請願について委員長報告に反対する立場から討論いたします。
最初に、146号一般会計補正予算です。ウイルス性肝炎患者の定期検査費用への助成など賛成できるものもありますが、八ツ場ダム関連の橋梁上部工工事にかかる債務負担行為が含まれており、八ツ場ダム建設そのものに反対する立場から、賛成できません。
 164・165号は東吾妻町の吾妻大橋上部工の請負契約です。これは大規模開発の典型である上信道へのアクセス用の施設ですが、住民は、県道・渋川東吾妻線の未改良部分の工事こそ急いでほしいと願っています。不要不急につき反対です。
次に請願についてです。
総務企画49号、所得税法第56条の廃止の意見書採択を求める請願です。国際的にも異常な所得税法56条を直ちに廃止して、家族従業者に労働の対価として支払う正当な報酬を、必要経費として認めるべきであり、継続でなく採択を求めます。
同50号、消費税増税撤回の意見書提出を求める請願です。4月に消費税率が8%に引き上げられ、GDPは2期連続のマイナスとなりました。まさに「増税不況」です。多くの県民は長引く不況に加え、物価上昇、収入減、社会保障削減の三重苦を強いられています。経済の疲弊、商店街の衰退ははなはだしく、中小業の倒産・廃業は歯止めがかかっていません。そもそも消費税は低所得者ほど負担が重く、弱い者いじめの税金で、社会保障財源としてはふさわしくありません。消費税増税の先送り実施でなく、きっぱり中止することこそ求められています。よって、不採択でなく採択を求めます。
同51号、柏崎刈羽原発の再稼働に反対する意見書の採択を求める請願です。
 福島原発事故から3年9か月。事故は収束しておらず、いまだに12万人余の人々が避難生活を強いられています。こうした中で、原子力規制委員会は、放射性廃棄物の処理や安全な保管についていまだに見通しがたたないまま、申請基準適合審査など技術的な審査のみをすすめ、住民の避難計画も自治体任せとして、再稼働しようとしています。新潟県柏崎刈羽原発は「津波対策」「電源配備」「ベント設備」など場当たり的な「安全対策」を施したうえで、再稼働を準備しています。同原発の直下には活断層が存在することも指摘されています。再稼働が多くの国民を危険にさらすことになる事実を直視して、群馬県議会として再稼働反対の意見書を国に提出するよう強く求めます。よって継続でなく、採択を求めます。
厚生文化41号、生活困窮者自立支援法における支援事業の費用負担および、放課後学童保育クラブにおける障害児受け入れ推進事業の改善についての請願は継続でなく、採択を求めます。
環境農林28号、農政改革に関する請願です。
政府が新成長戦略に位置付けた「農政改革」は、日本農業と国民の食を支えてきた家族農業を否定し、農業と農地を企業のもうけのために開放しようとするものであり、その障害となる農業委員会や農協の事実上の解体も提言するなど国民の食料と地域の将来に重大な影響をおよぼしかねません。国連は今年を国際家族農業年としています。風土や歴史の異なる世界の国々には、それに見合った多様な食文化や、それを支える家族農業があり、地球規模の飢餓問題や環境問題の解決には、グローバル企業化農業一辺倒では無く、家族農業や食料主権の尊重に光を当てる事こそが大切だとしています。農業政策の基本を企業の参入・進出に置くのではなく、家族経営を基本とし、それを支える諸制度の充実、地域コミュニティーの維持、協同組合の発展こそ求められています。よって本請願の採択を求めます。
同29号、政府による緊急の過剰米処理を求める請願です。
いま、米価が暴落しています。2014年産ゴロピカリのJA概算金が1俵6000円で、1kg当たり100円。缶コーヒーも飲めない価格です。「米をつくってメシが食えない」深刻な事態が広がっています。今年から経営所得安定対策が半減され、今でさえ生産費を大幅に下回っている米価がさらに暴落するなら、コメの再生産が根底から脅かされることになります。主食のコメの需給と価格安定をはかるのは政府の重要な役割であり、緊急に過剰米の処理を行うべきであります。よって、採択を求めます。
産経土木51号、朝鮮人追悼碑の設置許可更新を求める請願です。かつて日本が朝鮮を植民地化し、朝鮮人を強制連行して過酷な労働を強いたのは歴史的事実であります。追悼碑自体、そうした歴史を反省し二度と過ちを犯さない誓いとして県議会の全会派が賛成して建てられたものです。在日朝鮮人などへの排外主義をあおるヘイトスピーチで物議を醸している在特会などからこの碑への攻撃がなされていますが、近隣諸国といがみ合い、再び世界から孤立する道をすすむ、こうした動きの先に未来はありません。追悼碑の設置期間の更新を求める請願を不採択にするなど、県議会の見識が問われます。レイシストに手を貸す行為だということを自覚すべきです。採択を強く主張します。
同52号、八ツ場ダム本体工事を中止し、吾妻渓谷の保存を求める請願です。吾妻渓谷は、県内随一の、まさに世界遺産に匹敵する、かけがえのない景勝地です。環境影響評価法に基づく再調査を行うとともに、本体工事を中止し、現状のまま次世代に手渡したいという願いは当然であります。有害物質の混じった鉄鋼スラグが大量に使用されている問題が未解明なままに、本体工事をすすめることを認めるわけにはいきません。不採択に反対し、採択を求めます。
コンベンション対策2号、高崎競馬場跡地へのコンベンション計画の再検討を求める請願についてです。県が実施した建設を前提とした住民アンケートでさえも「集客できるのか疑問」「赤字になるのではないか」など疑問や不安の声、反対する声があがっています。建設先にありきではなく、県民・周辺住民の意向を慎重に把握したうえで再検討することを求める本請願の採択を求めます。
その他の議案および請願については、かねてからの理由により委員長報告に反対です。
以上で、私の反対討論といたします。