いま住んでいる地域に初めて来たときに、田んぼに珍しい鳥がいるのを見て、「おお野鳥だ、すごい」と思ったものだが、いまは頻繁に見るようになって、またあの鳥かと少し見飽きた感がある。
この鳥はケリと言うのだそうだ。この地域に来るまで見たことがなかった。この鳥が空を飛んでいるところを見たときには、田んぼにいた同じ鳥とは思わずに、てっきりカモメだと思った。カモメも海からだいぶ離れたところまで来るものなんだなとか思ったりした。カモメはテレビでは見たことがあるが、実際に見たことはなかったから、カモメのような翼にカモメのような模様があって、しかも鳴き声も音色がなんとなく似ていると、もうカモメだと思い込んで、友人に「こちらにはカモメがいる」と手紙に書いて送った。あとでカモメの鳴くのを聞けば確かに違うし、カモメが海から離れたところにいるわけがないのだが、その頃はそう思ったのである。
そのうちには、田んぼで歩いている姿と、飛んでいるところもそれが同じ鳥であるとわかったし、あの独特の声も覚えたし、もうさすがにカモメであるとは思わなくなった。最近になって、ネットの図鑑で調べてケリという鳥だと知った。千鳥の仲間であるらしい。水の溜まった田んぼを歩いている時などは、いかにも千鳥っぽく感じる。
この鳥は真夜中に時々鳴いていて、そんな時はまるで怪鳥の声のように聞える。いつもなぜ夜中に声がするのかが不思議で、何かに襲われたのかとも思ったりしたが、それにしては、さほど切羽詰った声とも言えない。せいぜい牽制の声にしか聞こえない。縄張り意識の強い鳥らしいから、そうなのかもしれない。
この鳥がいつどこで子育てをするのかわからないが、よく稲のないときの田んぼで、2羽のケリが盛んに鳴いて、他の鳥を牽制しているようなときがあり、時にはカラスを追い払っているから、そういう時には巣があるのだろうかと思ったりするが、そんなものは見当たらない気もする。もっとも、すぐには見つからないようにしているのかも知れない。
この鳥がケリという名で、この地方に多い鳥だと知ってからは、なんとなくこの土地の鳥という、身内のような感じで見るようになった。そしてケリが、空を飛んでいると、田んぼの上を舞うカモメがいる土地に住んでいるんだと、ちょっと嬉しく思うのである。
この鳥はケリと言うのだそうだ。この地域に来るまで見たことがなかった。この鳥が空を飛んでいるところを見たときには、田んぼにいた同じ鳥とは思わずに、てっきりカモメだと思った。カモメも海からだいぶ離れたところまで来るものなんだなとか思ったりした。カモメはテレビでは見たことがあるが、実際に見たことはなかったから、カモメのような翼にカモメのような模様があって、しかも鳴き声も音色がなんとなく似ていると、もうカモメだと思い込んで、友人に「こちらにはカモメがいる」と手紙に書いて送った。あとでカモメの鳴くのを聞けば確かに違うし、カモメが海から離れたところにいるわけがないのだが、その頃はそう思ったのである。
そのうちには、田んぼで歩いている姿と、飛んでいるところもそれが同じ鳥であるとわかったし、あの独特の声も覚えたし、もうさすがにカモメであるとは思わなくなった。最近になって、ネットの図鑑で調べてケリという鳥だと知った。千鳥の仲間であるらしい。水の溜まった田んぼを歩いている時などは、いかにも千鳥っぽく感じる。
この鳥は真夜中に時々鳴いていて、そんな時はまるで怪鳥の声のように聞える。いつもなぜ夜中に声がするのかが不思議で、何かに襲われたのかとも思ったりしたが、それにしては、さほど切羽詰った声とも言えない。せいぜい牽制の声にしか聞こえない。縄張り意識の強い鳥らしいから、そうなのかもしれない。
この鳥がいつどこで子育てをするのかわからないが、よく稲のないときの田んぼで、2羽のケリが盛んに鳴いて、他の鳥を牽制しているようなときがあり、時にはカラスを追い払っているから、そういう時には巣があるのだろうかと思ったりするが、そんなものは見当たらない気もする。もっとも、すぐには見つからないようにしているのかも知れない。
この鳥がケリという名で、この地方に多い鳥だと知ってからは、なんとなくこの土地の鳥という、身内のような感じで見るようになった。そしてケリが、空を飛んでいると、田んぼの上を舞うカモメがいる土地に住んでいるんだと、ちょっと嬉しく思うのである。