高齢の両親と障害を持つ子供を連れて佐渡に旅行に出かけた。
一年に一回のこの三人を連れての旅行も10年目となり、はぼ日本一周に近くなってきた。
10年となると両親も92歳と88歳、
両親と車いすの子供はこの旅行の為に、元気でいられるように日々頑張って生活していると言っても過言ではなく、
今年もその日が迎えられたことは、本当に有り難い事だとしみじみ思うようになった。
最初の頃は、沖縄や北海道、広島の厳島神社から四国など、遠方にも足を延ばせたのだけれど、
近年は、移動距離の少ない長野県周辺の県の観光が精一杯になって来た。
それでも、毎日の生活を節約して、この時ばかりは露天風呂付きの部屋を予約したりして、
父の好きな温泉三昧の数日を過ごしながら、
未だ踏み入れた事のない地域をのんびりドライブしながら見て巡る楽しみ、
そして、旅の思い出を綴ったフォトブックを二人で見ながら、
ここはこうだった、あそこはこんな寺だった・・などと二人で話しているのを聞くのはちょっと嬉しいものだ。
新潟の直江津港から佐渡の小木港までカーフェリーで渡る前、少し時間に余裕があったので、
近くの平和公園?のベンチで昼食をとることにした。
宿泊場所以外は何も決めず、天気と時間と3人の体力を診ながら行動する。
カーフェリーには車いすのまま入る事ができ、その上眠たくなったら横になって寝られるし、
乗り心地は最高。
元気な父は何度も甲板にて海を見ていた。
佐渡が見えてきた。
障碍者や高齢の人間が旅をすると、人の温かさが身に染みるもので、
大変だけれど、普通の旅行以上に心が満たされて帰って来る事が多い。
佐渡に到着し、小木地区からホテルのある相川に移動する途中夕暮れを迎えた。
台風も近づいているという週末だったが、日本海にしては珍しくオレンジ色の大きな太陽が日本海に沈む所が見られた。
車を停めて写真を撮る。
海のない県に住んでいると、海辺の人たちには日常のこんな風景にも感動したりする。
最近話題になっている佐渡の星空。
夜、外に出て写真を撮りたいと思っていたけれど行けず・・・、
それでも、ホテルの窓からもきれいな星空が見えた。
次の朝、一番先に行ったのが尖閣湾。
日本海の波と気候が作り出した天然の美しい海岸線を見られる景勝地。
昔、「君の名は」という映画のロケ地にもなったらしい。
ゆっくり、ゆっくりでも歩けるという事はありがたい事で、
父も母もこの景色を見る事ができた。
ここから北沢浮遊選鉱場に向かう。