火王(左) 木王(右)の登場です。
熱い息を吹きかけて火をたぎらせます。
四面(水王・土王・火王・木王)が出揃うと社の四隅に位置し、
面を付けた若者たちは四隅をめがけて縦横無尽に駆け巡ります。
「ほら、よーっせっ、ほら、よーっせっ」という氏子の人達の掛け声に合わせて増々勢いを増し、
面を付けた若者たちは神々が乗り移ったかのように荒れ狂い、
祭りは最高潮に達します。
「止めろー、もう、止めろ―」と、どこからか声が聞こえています。
興奮の坩堝と化した社の中へ、静かに登場して来たのは宮天伯様。
弓と鏑矢を持って現れ、東西南北天地に向かって矢を放ち、
最後に「天下泰平、国家安全、五穀豊穣、めでたく叶う」と唱え、
「叶う」と書いて、ここで面を付けた舞が全て終わります。
まだ続いている祭りを少し残し、
一歩外に出て一人になると、
すっかり明るくなった遠山郷は寒く、あまりにも静かで、
今まで体で感じていた大きなエネルギーは夢ではなかったかと思うような気さえするのです。
多くの神々を通してこの社に集まったエネルギーは、里の人々のエネルギーとなり、
そのエネルギーがこの地域を守って来たのだろうなぁ・・・と思いながら
伊那山地を越えると、飯田の街と風越山がとてもきれいに見えていました。