旧楢川村、現塩尻市に坊主岳という名の山がある。
坊主山は、春先、日帰り登山の本の中に見つけたまだ登っていない山の一つだった。
朝、雲一つない久しぶりの好天に
「急登の後の眺望は素晴らしい」らしい、坊主岳への期待が膨らんだ。
伊那側から権兵衛トンネルを抜けて奈良井ダムの方向へ下って行くと、坊主岳登山道という看板が目に留まり、奥に駐車できるスペースがありそうだけれど・・・・
せいぜい4~5台かな?
一足先に来ていた登山者の方が「方向転換ができないのでバックで入った方がいいですよ」と教えてくれた。
登山者は初対面でも友達のような気がするのは不思議なもので、きっと、同じ苦しさと喜びを共有するからだと思う。
すぐ近くに登山口があり、
登り始めるとすぐに祠があった。
どこ様の神様か良くは分からないけれど、無事に下山する事をお願いして本格的に歩き始める。
ここからは、直登。
まさに直登ー真っすぐに上って約1時間弱、ちょっと休憩。
「標高差900mの急登は苦しいが、手つかずの自然が残っていて静かな登山が楽しめる」
とガイドブックにはあったが、最近は登山者が増えているようで、
この日も愛知県方面からバスで来たという団体登山者と一緒だった。
急登の後、一休みさせてくれるかのようにミズナラ林が続く。
背の低い笹が広がっているが、今は整備されていて登山道に迷うことはなく藪漕ぎは必要ない。
もう一度、最後の直登にかかると、木々の枝の隙間からまだ雪の残る御嶽山が見え、
体に感じる風も爽やかになってきた。
視界を遮る木々がなくなるとすぐに中央アルプスが近くに見えてきた。
真っ青い空の下に坊主頭のような山頂が見え(それで坊主岳というのかはしらないけれど)
急登を歩きなれていれば2時間、ゆっくり登っても3時間くらいで山頂に着く。
山頂には石仏や祠があり
近くに中央アルプス
御岳山
乗鞍岳
御岳山と乗鞍岳(雪の残る山はきれい!)
鉢盛山の向こうに北アルプスが見え、穂高連峰や槍ヶ岳も見える。
そして遠くに八ヶ岳連峰から美ケ原のあたりまで、360度の展望が楽しめる。
天気が良ければ最高、ガスや小雨の日はやめた方がいいかも・・と、一緒に登った登山者の人と話しながら下山したが、
雨で濡れていると登山道が急なだけに下山は大変で、展望がなければ何のために登ったのか分からなくなってるかもしれない。
天気のいい日には「手つかずの自然、急登の後の眺望」