「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

行き戻りする心子

2005年12月17日 21時12分50秒 | ボーダーに関して

 脚本家・清水さんは元のご主人と、このままでは二人とも不幸になると思われて、ご自分から家を出たそうです。
http://see-saw.way-nifty.com/diary/2005/12/post_e221.html

 心子もトラブルがあると、自分が見捨てられるのではないかという恐れを無意識に感じ、自分が傷つく前に彼女のほうから僕を見捨てて去っていきました。
 でも、時間が経つと、いずれ必ず帰ってきたのです。
 そして何事もなかったように、再びまた楽しいときを過ごします。
 それを常に繰り返したのでした。

 帰ってくるまで時間は数日間であったり、ときによってまちまちでした。
 最長で一ヶ月以上、最短で数秒でした。

傷ついて、姿を消し、苦しんで、戻ってくる。
 そして甘え、求め、また傷ついては去っていく。
 今度こそはこれで終わりかと僕も観念します。
 しかし心子は、ついにはまた戻ってくるのでした。
 心子は狂おしいほどに身もだえしながら、天国と地獄の往き来を繰り返さざるを得ませんでした。

 でも今は本当の天国で、静かに、静かに、身も心も休めているでしょう。



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