「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

マインドフルネス

2013年06月08日 21時33分40秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 弁証法的行動療法 (DBT) に欠かせないのが マインドフルネスです。

 このスキルは ノン・ボーダの人にも有効です。

 マインドフルネスとは、 判断を伴わない気付きです。

 判断したり、 自分自身や 自らの経験を批判することなく、

 自らの考え, 感情, 身体感覚, 行動に -- まさに今この瞬間に --

 気付いている能力」です。

 「中心いる」 状態, 「真の自己」 との出会い と言う人もいます。

 マインドフルネスの目標は、 強い感情と危険な振る舞いの パターンを認識し、

 より思慮深く、 より衝動的でなく 行動できるようにすることです。

 「賢明な心」、 すなわち 「理性的な心」 と 「感情的な心」 の

 バランスが取れた状態を 実践することです。

 人生をやってくるままに体験し、

 曖昧さやグレーの領域を 良しとして認めることができます。

 理性的な心の状態では、 感情は脇によけられ、

 計画に沿った コントロールされた反応をします。

 感情的な心の状態では、 事実は気持ちに合うように、

 または 気持ちを承認する形で 歪められてしまうかもしれません。

 懸命な心の状態では、 感情と思考は共に働き、

 適切に、 よりスムーズに行動します。

 マインドフルネスな状態にある時、 人生のありのままに対して心を開き、

 それぞれの瞬間を、 それが生じて過ぎ行くままに、 完全に意識しています。

 自分自身や 自分の状況や 他人を批判しないことです。

 今ここに 焦点を合わせ、 将来や過去にとらわれるのを 避けることができます。

 予測不能で混乱する行動に 対処するのに役立ちます。

 マインドフルネスによって、

 白か黒かの考えによる 感情のジェットコースターから 離れられます。

 痛みに耐えたり、 問題解決をよりうまく行ない、

 生活や人間関係で混乱したり ストレスが少なくなるようです。

 ただし、 マインドフルネスが目指すのは、

 深い幸福感や、 ストレスや困難のない 人生ではありません。

 マインドフルネスは 誰もが身に付けられるスキルです。

 神秘的なことは何もありません。

 心が騒いでも、 それが起こり、 消え去るに任せます。

 繰り返し、 今ここに 戻ってくるのです。

 マインドフルネスにより、 ストレスの多い状況に対して、

 よりバランスの取れた 健全なやり方で、 賢明に対処できるようになります。

 より良く決断し、 人間関係を向上させ、

 リラックスする能力を 最大限活用できるようになります。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 

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