○ 併存障害
BPDの人のほとんどは、 脳に別の障害がある「併存障害」を抱えています。
うつ病が最も一般的で、 物質乱用, 摂食障害, 自己愛性パーソナリティ障害,
双極性障害, 演技性パーソナリティ障害があります。
・ うつ病
うつ病は BPDの人のほとんどに広まっており、 治療を困難にしています。
圧倒的な悲哀, 見捨てられ不安, 強い罪悪感, 無力感, 絶望感, 無価値感が
あります。
・ 物質乱用
物質使用障害の人の 約3分の1がBPDでもあります。
逆に BPDの人の半数以上が 物質使用障害をもっています。
物質乱用と依存は、 BPDの定義の一部でもあります。
(自己にダメージを与える衝動性)
一時的に 感情的な痛みを和らげようとします。
物質使用障害の専門家は、 BPDが根本要因だと 気付かないことがあります。
BPDの人が物質を乱用すると、
薬物療法と心理療法の 両方の有効性が 著しく低下します。
BPDに対処する前に、 まず物質依存の治療を すべきだと言われます。
・ 摂食障害
物質乱用が 男性に多いのに対して、 女性により多く見られます。
危険なほど自分を飢えさせますが、
それは自傷の代替であり、 コントロールを得るための手段とも 考えられています。
無茶食いのあと、 嘔吐や下剤などで 食べたものを出そうとします。
これが長期にわたると、
胃が破裂したり、 歯がなくなったり、 死に及んだりします。
・ 演技性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害は、 著しい自己中心性, 誘惑的な行動,
度を超えた感情表出, 過剰な注目への要求などがあります。
魅力を振りまき、 外見で注意を引いたりします。
自分の欲しいものを 得られなくなるまでは。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕