「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性人格障害の心理的メカニズム--「投影性同一視」

2006年07月19日 19時20分48秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/37739863.html からの続き)

 ボーダーの人は 自身を省みる力が弱いので、

 自分を問いただす代わりに、人を 自分の鏡のように利用して

 やり込めることがあります。

 例えば、利己的な自分の姿を 相手の中に映し出し、

 鏡に向かうように 相手を身勝手だとつるし上げたりします。

 自分で自分を嫌悪するのは 辛すぎるからです。

 自分の欠点や 不具合な気分を抱えきれないために、

 その影を 相手のほうに投げ映すのです。

 「投影性同一視」 (移しかえ)と言われる、

 無意識の自己防衛のメカニズムです。

 自分の難点を 他人に移しかえ、主観で その人への見方を変えてしまいます。

 自分のフィルターを通して 相手を見ていると 言い換えることができるでしょう。

 色眼鏡をかけて 落ち度を人の責任にしてしまうのです。

 かつ、自分と他者は 別の人格だという区別(境界) が充分できていないため、

 自身の延長線上で 他を見てしまいます。

 相手も 自分と一緒の気持ちや考えを 持つべきだと見なし、

 先方がそれに反すると その人のほうが悪いと決めつけます。

 自分の中にあるものを 相手に「投影」しているのです。

 ただし これらは、程度の差こそあれ 我々が誰でもやっていることです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/37850603.html