「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

性犯罪被害者の実名報道(3)

2006年07月02日 09時45分46秒 | 凶悪犯罪と心の問題
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36886979.html からの続き)

 被害者側の生の声の訴えは、我々に非常に重いものを伝えてくれます。

 しかし、被害の実態や実名を 遺族が公表するかどうかは、

 人によって 気持ちが非常に異なるので難しいことです。

 遺族が被害者の人格を 大切にしたいと思うとき、

 被害者のかけがえのない存在を 人々の心に留めてほしい と思うか、

 被害のことを知らせたくない と思うか、

 どちらも否定できないことでしょう。
 

 一般的に性犯罪では 被害者の実名報道はされません。

 特に被害者が生きている場合、本人の衝撃の強さや傷の深さ、

 また周囲の偏見の大きさを考えると、実名は到底無理でしょう。

 でも、そういう事情のため 性暴力は表に出ず潜在化してしまい、

 その結果 被害者がさらに増え、傷つき苦しむことになってしまいます。

 そうならないために、本村さんや健一さんのような 勇気ある言動は貴重です。
 

 一方 インターネットなどによって、一旦出された情報が 簡単に悪用・濫用される状況があります。

 光市母子殺害事件でも、当時少年だった加害者の実名は 公表してはいけないにも拘らず、

 僕もネット上で その名前を見ることになってしまいました。

 また、取材を受ける側が その結果の重大性を予想できないまま、

 実名を出してしまい、あとで困却してしまうケースもあります。

 マスコミ報道はどうするべきか、多面的に熟慮しなければなりません。

 また 報道を受けた我々のほうも、実名や実態を明かしてくれた被害者のことを、

 自分の身に置き換えて 考える必要があると思います。

 それが犯罪予防にもつながるでしょうし、

 これから始まる裁判員制度でも、量刑を考える際に重要なことでしょう。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/37116397.html
 
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