monologue
夜明けに向けて
 



「なんかそっくりのような、どっちがどっちかわからないや…」
「王仁さんは五大父音と呼んでいるが、普通わたしたちは母音と呼ぶ。この父音(母音)をニギハヤヒは陰陽に分けて文字を創ったのさ。チョンが太陽を示して『あ』は中心の縦線の右にあって太陽が東 から登っている図だから陽父音、『お』は太陽が地平線上にあるから陽父音、『う』は太陽が下にあるから陰父音『え』は太陽が西にあるので陰父音、『い』は太陽がないので陰父音とした。つまり言葉はすべてこの陰陽の組み合わせということになる。「あおうえい」とは陽父音である『あ』と『お』を初めに配して中心におわす『す』の神の父音『う』をまん中にして陰父音『え』『い』と順に進む正しい発音法なのさ。」
「なるほど、それで陰陽和合なんですか。でもおかしいですね日本の古代文字がハングルを真似て偽作したものになっているなんて…。時代が先なのに。」
「辞書に書かれたことは真実と思う人が多いから困ったものさ。」
「わかりました。おいらの劇団ではこの『アオウエイ』順を採用して声出し稽古します。がんばります、期待してください。実は劇団消滅の危機に瀕していたのですがこの五大父音で乗りきります」
「えっ、そうだったのか、そんなことをすればあの劇団が活性化して生き延びるかもしれない…。いらないことを教えてしまったのかも。忘れてくれよ六さん、おまえさんたちは『アイウエオ』順でいくべきだ。『アイウエオ』順で消滅してくれ…」

「今度の舞台、御礼にチケット送りますから、見に来て下さいね。カンパはいくらでもいいですよ。ご隠居さんは貧乏なわりにはずんでくれるんだから…困っちゃう。えへへへ…。」
fumio


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