monologue
夜明けに向けて
 



   ***

 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

  人よ、人であれ。
  他人の水晶を覗いて、
  嘆くのは止めよ。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より


「木星王は嘆いた」 
木星は古代中国の天文暦学において神霊化して太歳(たいさい)と呼ばれる吉星。
饒速日尊(ニギハヤヒ)の名はは幼年期、フル、青年期、トシ、そして「大歳」(おおとし)となった。神上がりした時、大にチョンがついて太歳(たいさい)となったものと考えられる。すなわち、木星王は饒速日尊(ニギハヤヒ)。「月の娘」と呼んだり、「木星王」と呼んでみたり、ややこしいがこの行は饒速日尊(ニギハヤヒ)は嘆いた、ということである。
fumio





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