80ばあちゃんの戯言

聞いてほしくて

2013-07-22 12:39:59 | 思い出
 昨日、暑い中、久しぶりに、東京から、孫がやってきて

くれた。7月には行けると思うというメールがすでに届い

てはいたのだが、何せ、忙しい彼のこと、何時のことにな

るかと、ただ、ひたすら心待ちにしていたのである。



このところ、彼はちょっと体調を崩していたので、心配を

していたのだが、少しづつ復調してきたようであったが、

やってきた彼は痩せて、何だか髪も伸びて、すっかり、

様変わりしていたのである。

思わず ”哲学者的風貌になったね”と、私はからかった。



 彼は以前から、年寄りの話を聞いておく必要があると、

思っているようで、私の話を聞きに来てくれることはあった

のだが、最近は、嫁さん(彼の母親)のご親戚の方が、健康

を害し、話を聞ける状態でなく、お蔭で、私の生きている

価値が多少上がったかと思われる次第なのである。(笑い)

まあ、冗談はともかく、彼は超まじめであるし、挫折した

こともない筈の経歴の持ち主なのだ。



開口一番私は言った、

 ”Yちゃん。体調を崩したことは本当に良かったね。私は

 Yちゃんがあまりにも順調に今まで来ていたので、心配し

 ていたのよ。神様はまだ貴方を見放してはおられないと

 思ったわ。 これからもいろいろ困難なことはあると思う

 けれど、”艱難汝を珠にす”ということがあるけど、

 いい経験になったと思うよ。”



 ”僕もそう思う。

  病気になって気づいたことも多いから・・・・。”



  彼は小さいときから、母親の言うことはどんな人に何を

  言われようと、凛として守るといった子で、私はこども

  の頃読んだワシントンと桜の木の話を何故か思い出した

  こともあったし、ピアノの会では、大きな先輩と対等に

  話をしている様子は今でも懐かしく思い出す。

  何時も幼い従弟妹たちを優しく導いてくれていたのだ。


  約10年前夫が急逝したときには、彼に大いに助けて

  もらった。 それというのは、その約一年半前に、

  健康診断で夫の肝臓に癌ができ始めていることがわかって、

  右手の手首をちょっと切って、カテーテルを入れて、

  肝臓にでき始めていた癌に、薬をかけるだけで、簡単に癌

  が治まったその一年半後、癌が同じところに再発し、同じ

  治療を施すことになって、入院したが、うまくいっていた

  ように見えたその手術だったのに、もう大丈夫といわれた

  2日後夫は急逝した。 当時小学校一年生だった孫が、

  その前日病院へ見舞いに来て、おじいちゃんが苦しむ様子

  を見てびっくり、1週間前の日曜日、僕と一緒に遊んでく

  れてあんなに元気だったおじいちゃんが、病院は病気を治

  してくれるところだと思っていたのに、急にあんなになる

  なんて、僕はもう一生病院へはいかない。”と大泣きした

  のである。 その上夫は亡くなったのである。わたしは、

  小さな孫を放っておけないと考えたが、お葬式の準備やら

  あって、とても大人たちは、孫についていてやるわけにも

  行かないと思って、孫の中で一番大きくて、優しい、Yに

  小さい孫の事をよくよく話し、彼に頼むしかないことを告

  げたのである。 彼はお通夜もお葬式にも、何時も片時も

  従弟の傍を離れず、手をとってやったり、優しく面倒を

  見続けてくれたのである。 その蔭で、小さな子は何事も

  無かったように元気になったのであった。

  

  本当に誰かのために真心を尽くせる人を神様が掘っておく

  はずは無いと思っている。



  

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2 コメント

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素敵なお孫さん(^^) (kaya)
2013-07-24 20:00:00
人は、自分が受けた記憶のある対応を、人にもできるそうです。
優しくされた記憶は人を優しくし、愛された記憶は相手を愛せる人に育てる。
お孫さんは、おばあちゃんはじめご家族やまわりの人の「鏡」なんですね。
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ありがとう (80ばあちゃんの戯言)
2013-07-25 17:11:36
kayaさん

コメント有難うございました。
嬉しくいただきました。
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