夫は独身時代、弟の面倒を見ながら、間借りで自炊して
いたのだが、一度鯖の味噌煮をご馳走になったことがあっ
たが、とてもいいお味だった。
何でも夫の両親が満州に住んでいて、日本の中学が近く
になかったので、夫は中学から、一人で大連に下宿してい
たのだそうだ。
その下宿のご主人が魚市場で働いておられたので、毎日、
トロ箱いっぱいのお魚が届き、下宿人の中で一番年少だっ
た夫が、いつも夕飯の支度の手伝いをさせられていたそう
で、はじめはお魚を食べるのも料理するのも厭で厭でたま
らなかったが、そのうちにお魚が好きになり、料理も覚え
たとか。
結婚後は、たまにはお料理してもらいたいと水をむけたが、
すっかりだんな様に納まってしまった夫は知らんふりであった。
それが定年後のある日、急に言いだしたのである。
"今日の昼飯は俺が作る。”
”え、何をごちそうしてくれるの?”
”まかしとけ。”
てな具合で、本当にびっくりしたが、まあ、どうぞお好き
なように思って、引っ込んでいたら、
"おい、皿。” "おい、フォークとスプーン。”"おい、
チーズ” "テーブルの用意。”"それがすんだら、
そこに座っていろ。”
である。
まだちょっと間がありそうだと思ってやりかけの仕事をし
ておこうと立ったら、
"おい、そこに座っていろ”という。
私が料理するときには、もうそろそろ出来上がるから
座っていてくださいといってもおいそれとは座らないことも
あった夫がである。
ともかく超熱々のスパゲテイナポリタンができあがった。
夫のスパゲテイは本当にやけどするかと思うくらい熱くて
おいしかった。
どういうわけか後片付けは私の仕事になったが・・・。?
いたのだが、一度鯖の味噌煮をご馳走になったことがあっ
たが、とてもいいお味だった。
何でも夫の両親が満州に住んでいて、日本の中学が近く
になかったので、夫は中学から、一人で大連に下宿してい
たのだそうだ。
その下宿のご主人が魚市場で働いておられたので、毎日、
トロ箱いっぱいのお魚が届き、下宿人の中で一番年少だっ
た夫が、いつも夕飯の支度の手伝いをさせられていたそう
で、はじめはお魚を食べるのも料理するのも厭で厭でたま
らなかったが、そのうちにお魚が好きになり、料理も覚え
たとか。
結婚後は、たまにはお料理してもらいたいと水をむけたが、
すっかりだんな様に納まってしまった夫は知らんふりであった。
それが定年後のある日、急に言いだしたのである。
"今日の昼飯は俺が作る。”
”え、何をごちそうしてくれるの?”
”まかしとけ。”
てな具合で、本当にびっくりしたが、まあ、どうぞお好き
なように思って、引っ込んでいたら、
"おい、皿。” "おい、フォークとスプーン。”"おい、
チーズ” "テーブルの用意。”"それがすんだら、
そこに座っていろ。”
である。
まだちょっと間がありそうだと思ってやりかけの仕事をし
ておこうと立ったら、
"おい、そこに座っていろ”という。
私が料理するときには、もうそろそろ出来上がるから
座っていてくださいといってもおいそれとは座らないことも
あった夫がである。
ともかく超熱々のスパゲテイナポリタンができあがった。
夫のスパゲテイは本当にやけどするかと思うくらい熱くて
おいしかった。
どういうわけか後片付けは私の仕事になったが・・・。?