風に吹かれてぶらり旅

まっすぐに生きる人が好き

広島市現代美術館

2012-06-10 19:02:14 | 徒然
広島市現代美術館では
「解剖と変容 プルニー&ゼマーンコヴァー チェコ、アール・ブリュットの巨匠」特別展が催されており観てきたのだけれど

私にはちょっとキツかった。

特にルボシュ・プルニーというアーティストの『父』『母』という作品は、私にはあまりにも直接的すぎてしばらく涙が止まらなかった。

剥き出しの真っ白な無垢な心

彼の一見不可思議に見える愛の形や純粋な気持ちが、私の個人的な家族への思いとあいまって痛いほど伝わってきて

正直なところ私には辛かった。

うまく言葉にはできないけれど、その作品があまりに澄んでいて目をそむけられず、辛かった。

偽りのない事実がそこにある

それはなんて強烈なのだろう。
抜いたままの刀のような鋭さでそこにあって、近づこうとすればするほど心に突き刺さる。

今回の特別展で飾られたアール・ブリュットは、絵画の技法を専門的に学ばずに描くようになった作家達のアウトサイダー・アートと呼ばれる作品のコレクションの名称で
アール・ブリュットの作家達は作品が完成した時点でその作品への興味を失い、評価されるとかそういったことには関心をもたないのだそうだ。

プルニーの作品に感情を激しく揺さぶられたのは事実だったので、私は館内のアート・ナビゲーターの方にこの『父』『母』について解説をお願いした。



どうしても今の私にはポジティブな気持ちで受けとれない作品だったのでお勧めはできないけれど、こういった作家もいると知ることができたのはよかったと思う。

その作品から受けた影響による自分の心の動きを客観的にみることもできた。
またプルニーの作品は自然と同じありのままの姿を表現していると感じた。
だから良いも悪いもないと思った。
ただ純粋すぎるのだ。

そして、岡本太郎の『明日の神話』は巨大な壁画を想像していたら、原画だったので思ったよりずっと小さな絵だった。
壁画はメキシコにあるそうです。
そういえば、前にテレビで観たことあったっけ…

でも、絵を眺めているとその世界に引き込まれて絵の大きさは関係なくなる。強い色彩のコントラストや単純化され不安定な曲線で描かれたくっきりとした輪郭がそのまま原爆の恐ろしさや悲劇を伝えている。
やはりこれも原爆ドームと同じく、凄惨な現場を残したり表現することで平和への強いメッセージを訴えているように感じた。

私は広島の原爆のことを頭ではわかっていたつもりだった。でも昨日まで日本の近代史以上には考えていなかった自分に気付かされた。
言ってしまえば、自分にはあまり関係のない遠い出来事、知識としてあっただけだった。
今回原爆ドームを目の前にしたからといって、自分が何をできる訳でもないのだけれど、少なとくも今の自分の生活への感謝や同じ過ちを繰り返さないことはできると思った。
アール・ブリュットの作家達の作品を観て
また、広島の傷痕を垣間みて

これからの自分のあり方を否応なしに考えさせられた。

日常のほんの些細な出来事や嬉しいこと、楽しいことがどれほど強い光であるか
人はその光が集まって周りが明るすぎると、その個々の光の尊さに気付かないのかもしれない。

それを教えてくれた広島で出会った世界遺産やアートに感謝しつつ
私は今を思いきり楽しみ、喜怒哀楽を感じて生きていこうと思った。

もしかしたら、気負いすぎているのかもしれないけれど。

そして何より「おかえりー」と言ってくれる家族や大切な人達が私にもちゃんといて、私にとって笑顔の源泉となる大きな存在であることを改めて感じたのでした。

広島から東京へ

2012-06-10 17:03:37 | 徒然
やはりもう初夏、暑いです…

広島市現代美術館から平和記念公園近くまで歩いたら、日傘をさしていたけれど結構体力を消耗してしまった。

途中でコンビニに寄ったりカフェで一休みしたりしたものの、じわじわと疲れが眠気となって襲ってきます。

只今新幹線の待ち時間、寝過ごさないようにしないと…

それにしても濃い2日間だったなぁ…

もうすぐ広島とはお別れです。
またぜひ来たいと思います。
ありがとう広島。

楽しや路面電車

2012-06-10 11:29:07 | 徒然
10時過ぎにホテルをチェックアウトし
路面電車で一度広島駅に行き
コインロッカーに荷物を預けてきました。

この路面電車がとても便利で楽しい♪

昔、都電に乗ったことはあるけど
広島では街中を沢山走っているので新鮮です。
通勤時間帯の京浜東北線又は山手線と
同じくらいの間隔ですぐに電車がきます。
バスと電車を合わせたような乗り物で
バスほど揺れず、町中の線路を走り、信号待ちで止まる。
前後の出口に車掌さんがいて、料金を精算するシステムになっています。
発車ベルとか、ランプなどがちょっとレトロで素敵。
市内は一律150円です。

広島駅から広島市現代美術館のある比治山下駅まで10分かからない程度。

これから岡本太郎の作品に会ってきます。

「ひろしまアート探訪」

2012-06-10 07:09:50 | 徒然
こんなに「帰りたくない」と思う一人旅は初めてだ。

かと言って、ここにずっといたいかと言えばそういうわけではなく
また広島に帰ってきたいなと思う。
私にはまた何かに向かってどこかへ行かなきゃいけない気がする。

帰りたくないっていうのは、昨日までの自分に戻りたくないというのかな。
そんなこと意識することはいつも殆どないのに

今回は違う。

新しい世界、知らない場所、そして私も知らない新しい自分

昨日の高橋優さんのライブは先月と今月合わせて3回目で、セットリストもMCの流れもわかっているのに
昨日のライブが私にとっては一番深いところで感動したライブだった。

高橋優さんは勿論、バンドメンバーの一人ひとりの様子がよく見えた。

だからかなり冷静だったはずなんだけど…

私自身、今回のツアーや高橋優さんのライブの雰囲気に慣れてきて、より唄や曲に入っていけたのではないかと思う。

過去の私自身の殻にヒビが入って、中でから光に包まれた新しい自分が生まれた…そんなイメージ。

だから、今までいた場所にただ帰っても違和感があるに決まっている。
帰るというのは、新しい自分の場所をつくる意味で帰るならいいけど、今までと同じことを繰り返すことはできないししたくない。

なんでこんなこと、思うんだろう?

…考えるのが、ちょっと疲れた。

今日は夕方17時の新幹線なので、広島市現代美術館へ行き、岡本太郎の『明日の神話』を観てこようと思います。
最初は厳島神社に行こうと思っていたけれど、今回の目的はライブ参加だったし、原爆ドームや平和記念公園だけでも感じるところが多すぎてちょっとキャパオーバーです。

アート探訪のあとは…風の向くまま、気の向くままにぶらぶら歩きます。

それでもまた

2012-06-10 05:37:29 | 徒然
携帯のアラームを遅めに設定し忘れ
またこの時間帯に一度目覚めるように体のリズムが出来上がっており

朝5時過ぎに起きてしまった。

まだ全くもって眠い。

昨日のライブは、私が既に取り払ったと思っていた自分の殻を、更に打ち破られたような衝撃を受けました。
私が知らなかった私に出会いました。

歌がもの凄く体に入ってきて
まるで全身が耳になったように、頭で考えずに心一つで聴いていました。

吸収したって感じの方がしっくりくるかなぁ。
改めて、この人すごいって思いました。

…ライブの余韻は全くさめず
さめたくなかったのに

また明るい朝陽が部屋に射し込む。

時は刻々とただ進む。

どんなに昨日に留まっていたくても「陽はまた昇る」けれど、今日は今日しかないから、また今日の風に吹かれて生まれ変わったぶらり旅

はじめます。

朝のお煎茶でも頂きながらしばらくぼーっとします。