道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち(国立新美術館・港区六本木7丁目)

2009年05月19日 | 美術道楽
六本木の国立新美術館で「ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち」という展覧会に行ってきました。
ルーブルから来た様々な美術品,工芸品等を「子ども」という共通のテーマで,くくりだし,「誕生と幼い日々」,「子どもの日常生活」等のテーマで整理したものです。

早い話が,これという特別の展示品はすくなく,絵画も少なく,エジプト(ヘレニズム期を含む。),メソポタミア,ギリシア,ローマから来た工芸品が中心であり,これらをまとめるのに無理をして「子ども」というテーマを使ったという感じです。

特別に良かったのは,この美術展のパンフレットの表紙にもなっているティツィアーノの「聖母子と聖ステパノ,聖ヒエロニムス,聖マウリティウス」くらいでしょうか。
そのほかに,
・フランス王妃マリー=テレーズの幼き日の肖像(ベラスケス工房)
・アモールの標的(ブーシェ)
・プッサンの原画に基づく「河から救われるモーセ」のタペストリーが印象に残りました。

音声ガイドで知ったのは,古代エジプトのイシス女神とその子であるホルス神のイメージは,芸術の面で,キリストの聖母子像に大きな影響を与えたということです。

今回展示された工芸品は,おそらく,パリのルーブル美術館を直接訪問した場合には,みんな見ないでパスしてしまうというようなものだったような気がします。