道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

赤い点

2009年10月21日 | 映画道楽
ドイツ映画祭2009の5作目は「赤い点」です。
日本からドイツのミュンヘン・テレビ・映画大学に留学した宮山麻里枝監督の作品です。

ドイツで交通事故にあい,父母と弟を失い,一人生き残って母の兄夫婦のもとで育てられた,東京の大学生亜紀は,家族が生きていたころの夢を見て,就職活動も中断して,何かにとりつかれたかのようにドイツに行きます。手がかりは,遺品とともにあった地図に残された赤い点のみ。
亜紀は一人でドイツを旅し,ノイシュバンシュタイン城を訪れ,東アルゴイ地方の道を一人歩きながら「赤い点」を探します。その過程でドイツ人の若者エリアス・ウェーバーとその父ヨハネス・ウェーバーと知り合います。
亜紀はウェーバー家に滞在しながら,赤い点を探し,ついに探し当てます。そこにあったものは・・・そして、そこで,亜紀が家族の供養をしていると,ヨハネスが現れ,驚きの告白をします。

話の内容としては,意外性のあるものでもなく,おおよそ見当はつきました。
ヨハネス役のハンス・クレーマーの演技がよかったです。
それと,反抗期のエリアスが亜紀の登場によってどう変化するか,エリアスだけでなくウェーバー家自体も亜紀の登場によってどのような変化が出てくるか等の描き方が興味深かったです。亜紀が現在育ててもらっている家族のエピソードが挿話されているのがよかったです。
アルゴイの景色の映像が奇麗なのもよかったです。

「赤い点」の上演後も,質疑応答がありましたが,監督の昔からの知人が多数招待客として来ていたせいか,監督もテンションがかなりあがっていました。質疑の内容も,専ら監督が一人で答えており,せっかく監督夫妻(夫の方は音楽担当)のほかにも,主役の猪俣ユキさんや製作プロデューサーの方もおられたのに,ポツンと取り残されており,気の毒な印象を受けました。

質疑応答の様子


【余談】
昔,私もアルゴイの大豪邸に住んでおられる方の家に泊めてもらう機会がありました。
大きなプールも付いたお城のように大きな家で、ゲストルームだけで十分に立派な居住スペースになっており,驚嘆した記憶があります。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿