道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ワルキューレ(映画)

2009年04月20日 | 映画道楽
オペラのワルキューレだけではなく,トム・クルーズ主演の映画ワルキューレも見に行きました。
アメリカ映画で,トム・クルーズ主演と聞いていたので,正直,あまり内容を期待していないところもありました。
しかしながら,実際見ていますと,史実に正確に基づいてヒトラー暗殺計画の始まりから終焉までを描いています。格別にトム・クルーズの演じるシュタウフェンベルク大佐のみにスポットライトを当てるのではなく,ワルキューレ作戦に関わった人物それぞれの個性(優柔不断であったり,自己保身を図ったり,逆に最後までシュタウフェンベルクを支えようとしたりなど)をうまく描き出しています。
私個人としては大変いい作品だったと思うのですが,私の評価している点そのものをマイナス評価の根拠としてこの映画を面白くないという人もいるようです。トム・クルーズが特別な存在として出演していないと満足することができない人や史実の結末を映画の結末として受け入れることができない人には,あまり評判がよくないのでしょう。

1月のドイツ旅行で,旧SS本部跡も見てきたことなども思い出しながら,見ました。
また,今日,シュタウフェンベルク大佐の名前をつけ通りもドイツの各地にあると聞きましたが,ベルリンのStauffenbergstrasseはティアーガルテンの近くで,すぐ近くにまで行っていたことも後で知りました。

シュタウフェンベルク大佐を記念した切手



少し話題がそれますが,この映画にも悪名高いDr. Roland Freisler(ローラント・フライスラー)裁判長が出ています。ナチスの司法の権化のような裁判官です。
「白バラの祈り ゾフィー・ショル 最後の日々」の映画の際は,入廷の際にハイル・ヒトラーと敬礼をする場面まで忠実に再現されていましたが、今回はその場面まではありませんでした。ヒトラー暗殺計画事件の裁判でも,フライスラーは被告人に対し,ひどい罵詈雑言を並べ立て,徹底的に辱めるなどの悪行の限りを尽くすのですが,本作ではその部分の描写はほとんど省略されていました。
シュタウフェンベルク大佐らの実行グループが,このような辱めを受けることなく,速やかに軍法会議で死刑となり,軍人らしく銃殺されたことだけは救いです。

現実のフライスラーの映像



最新の画像もっと見る

コメントを投稿