道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

マッキアイオーリ展(東京都庭園美術館・港区白金台)

2010年03月14日 | 美術道楽
本日まで東京都庭園美術館で開催中のマッキアイオーリ展に行ってきました。
マッキアイオーリとは「マッキア派の画家たち」という意味だそうでして,マッキア派というのは色斑,染み,汚れといった意味なのだそうです。当初はパリの「印象派」のように否定的なニュアンスで名付けられた名前ですが,マッキアイオーリもマッキアという否定的なニュアンスの名前をあえて使用するようになります。彼らが集まりの拠点としていたのがフィレンツェのカフェ・ミケランジェロだったのだそうです。

マッキアイオーリが活躍した時代は,19世紀後半のイタリア統一の時代です。リソルジメント(統一運動)を背景に活躍します。ですので,画家レーガのように,イタリア統一の軍事的な立役者で赤シャツ隊(黒シャツ隊ではありません)を率いたガリバルディを描いた画家もいれば,セルネージのように自ら志願して軍隊に入り,命を落とした画家もいました。

出展された絵画は,トスカーナの風景を描いていたり,また当時の人々の素朴な生活をそのまま描いていたりと面白かったです。

絵画の中にはフィレンツェのピッティ宮殿から出展されたものが少なくありませんでした。ここはラファエロを初めルネッサンスの巨匠の作品しかないのかと思っていましたが,こんな作品もあったのですね。

さて庭園もくつろげる東京都庭園美術館ですが,もとは朝香宮邸です。どうしても,映画ジョン・ラーベのことを思い出してしまい,この建物や庭園を素直に楽しむ気持ちになることができません。

東京都庭園美術館=旧朝香宮邸の建物


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