
元軍人ハンク(トミー・リー・ジョーンズ)のもとに、イラク帰還兵の息子マイクが行方不明との知らせが入り、彼は捜索を始める。
程なくマイクの惨殺死体が基地の近くで見つかり、地元警察エミリー(シャーリーズ・セロン)の協力のもとに真相を探るのだが…
彼が突き止めた真相とは…
ミステリーの要素を持ちながら、戦争によってもたらされる人間の闇の部分を抉り出しています。
反戦映画のひとつではあるのでしょうが、とても静かな映画です。
原題の”In The Valley of Elah”は、旧約聖書のエラの谷の巨人ゴリアテに少年ダビデが戦いを挑むエピソードを表わしています。
聖書の中のダビデは勇敢な少年には違いないのでしょうが、映画の中で、エミリーの小さな息子が、母親に聞くシーンがあるのです。
「どうして大人たちは、子どもを戦いに出したのかな?」と。
子どもを戦地に送り出した親は、その問いにどう答えられるのでしょうか?
そう思うと、これは痛烈なメタファーなのです。
巨人ゴリアテは何を表わしているのか?
私は最初、国家とか軍隊といった強大な体制を表わしているのかと思いましたが、話が進むに従って、これは人間の中に潜む”悪”そのもののように思えて来ました。
それほどまでに、戦争は、善良な青年を狂わせてしまっていたのです。
それほどまでに、ハンクが突き止めた”真相”は苛酷なものだったのです。
マイクが戦地から
「父さん、助けて。ここから連れ出して。」と電話した時
元軍人でもあったハンクは、受け止めてやることができなかった。
「落ち着くんだ。神経質になってるのじゃないのか」が
彼の答えだった。
息子がああなってしまった今、彼はそのことで一生自分を責めるでしょう…
国旗を逆さに掲げるというのは
「もうどうにもならない。助けて!」という意味の国際的なメッセージなのだそうです。
国家を、軍隊を長らく信じて誇りに思っていたハンクが、ラストシーンでそのように国旗を掲げることで、彼の不信・慙愧・後悔の思いが悲しく重く伝わって来ます。
これは、実際の事件を基にしたフィクションなのだそうです。
よい映画だと思いますが、淡々としていて思ったほどには感動しなかったので…
☆3。
「告発のとき」
程なくマイクの惨殺死体が基地の近くで見つかり、地元警察エミリー(シャーリーズ・セロン)の協力のもとに真相を探るのだが…
彼が突き止めた真相とは…
ミステリーの要素を持ちながら、戦争によってもたらされる人間の闇の部分を抉り出しています。
反戦映画のひとつではあるのでしょうが、とても静かな映画です。
原題の”In The Valley of Elah”は、旧約聖書のエラの谷の巨人ゴリアテに少年ダビデが戦いを挑むエピソードを表わしています。
聖書の中のダビデは勇敢な少年には違いないのでしょうが、映画の中で、エミリーの小さな息子が、母親に聞くシーンがあるのです。
「どうして大人たちは、子どもを戦いに出したのかな?」と。
子どもを戦地に送り出した親は、その問いにどう答えられるのでしょうか?
そう思うと、これは痛烈なメタファーなのです。
巨人ゴリアテは何を表わしているのか?
私は最初、国家とか軍隊といった強大な体制を表わしているのかと思いましたが、話が進むに従って、これは人間の中に潜む”悪”そのもののように思えて来ました。
それほどまでに、戦争は、善良な青年を狂わせてしまっていたのです。
それほどまでに、ハンクが突き止めた”真相”は苛酷なものだったのです。
マイクが戦地から
「父さん、助けて。ここから連れ出して。」と電話した時
元軍人でもあったハンクは、受け止めてやることができなかった。
「落ち着くんだ。神経質になってるのじゃないのか」が
彼の答えだった。
息子がああなってしまった今、彼はそのことで一生自分を責めるでしょう…
国旗を逆さに掲げるというのは
「もうどうにもならない。助けて!」という意味の国際的なメッセージなのだそうです。
国家を、軍隊を長らく信じて誇りに思っていたハンクが、ラストシーンでそのように国旗を掲げることで、彼の不信・慙愧・後悔の思いが悲しく重く伝わって来ます。
これは、実際の事件を基にしたフィクションなのだそうです。
よい映画だと思いますが、淡々としていて思ったほどには感動しなかったので…
☆3。
「告発のとき」
この映画には、いろいろと考えさせられる事が
多く含まれていましたよね
マイクの父親であるハンクは、
まっすぐな気持ちで純粋に国を愛し、
国の為に仕えた事を誇り高く思っていたのに、
それが玉砕されてしまった姿を見た時、
マイクの弱音を受け止められなかった彼を
責める気持ちにはなれませんでした
この映画の原題が劇中に登場する
「In The Valley of Elah」だと知った時、
今年の4月に劇場で観た「大いなる陰謀」の原題である
「LIONS FOR LAMBS」を思い出しました
どちらも、原題に込められた意味は深いですよね…
本当に考えさせられる映画でした。
観終わった後、しばらく動けませんでした。
エンドロールの最後の方で
”for the children"という文字が出てきた時
監督の、子供達に対する深い愛を感じました。
原題の意味は深いですね。
この邦題はなんとかならないのかと思いますが
「エラの谷で」じゃあ、なんのこっちゃ?ですものねえ…
ポール・ハギスの作品には静かな哀しみがいつも底に
流れているようです。
誇りを持って息子を戦場に送り出した軍人と、
その息子を救えなかった父親という立場を
トミー・リー・ジョーンズは抑制の効いた渋い演技で
好演していると思いました。
>「父さん、助けて。ここから連れ出して。」と電話した時
>元軍人でもあったハンクは、受け止めてやることができなかった。
この悲劇は、例の相撲部屋で亡くなった若い力士の事件を
思い出させます。強くあれという親の気持ちが
子どもの死につながったとしたら、
親としては居たたまれないですね・・・
子どもの死につながったとしたら、
親としては居たたまれないですね・・・
この辺が本当に難しいですよね?
親は、子どもの甘えを何処まで受け止めるべきか?
ただ、この映画の場合(もう3ヶ月も前に観たので記憶は定かではないのですが)、マイクが電話した時、ハンクの第一声は、「そこに誰かいるのか?」というような言葉だったように思います。
必死になってSOSを投げかけた息子に対して、軍人としての面子を気遣う父親。
その辺りの温度差にも、マイクは絶望したのではないかと思います。
映画の感想など、色々語り合えそうで楽しみです。
どうぞよろしくお願い致します。
意外なほど胸に沁みました。
>親は、子どもの甘えを何処まで受け止めるべきか
それを甘えと取るか、助けを呼ぶ叫びととらえるか、
まさにそこが父としての判断を問われるところ。
彼の苦しみの原点ですね。
本気の叫びをキャッチできるか、、、
子育ての一つの大事なキーワードでもあり、とても感情移入してしまいました。
”病めるアメリカ”を真っ向から描いていました。
>本気の叫びをキャッチできるか、、、
>子育ての一つの大事なキーワード
でも、これって本当に難しいですよね?
子どもの甘えを、ただ受け止めればいいというものではない。
でも、本当に真摯に叫んでいる場合には
しっかりと受け止めてあげなければいけない。
その見極めが、果たして自分にもできるかどうか…?
先の拙サイトの更新で、こちらの頁を
拙日誌からの直リンクに拝借しております。
「巨人ゴリアテは何を表わしているのか?」
僕もここんとこに引っ張られたクチです(笑)。
単純に悪とも言い切れないダークサイドのような
ものなのかなぁなどと考えていたので、
とても近いご意見のこちらの記事が目を惹きました。
どうもありがとうございました。
これを観たのは
もう5年前になるのですね。
私も久しぶりに、しみじみと思い出しました。
5年経っても、観た当時の衝撃を
忘れておりませんでした。
そう思うと
地味ではあるが良い作品でしたね!