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Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「リラの花咲くけものみち」「アルプス席の母」

2025年04月16日 | 

「リラの花咲くけものみち」藤岡陽子著

幼い頃に母を亡くし、父親の再婚相手に虐げられて不登校になった聡里は、愛犬パールだけが心の支えだった。やがて祖母のチドリに庇護されて立ち直った聡里は獣医師を目指し、猛勉強の末、北海道の大学に入る。そこでの6年間の聡里の様子が、生き生きと描かれています。引きこもりですべてに自信がなかった少女が、仲間に囲まれ、勉強に励むことで、こんなにも成長できるのかと。
本書の中に出て来た椋鳩十の「大造じいさんとガン」という話を私も子供の頃好きだったので、残雪という名のクラスメートが現れた時点で予感がありました。
「鳥の羽の模様には意味があって、互いに同種かどうかを見分ける目印になる。鳥は空を飛びながら、自分と同じ羽根の模様を本能で探して、つがいになる」
だから「同じ羽根の模様をしている」というプロポーズは、聡里にとっては何よりも嬉しいものだったのですね。


「アルプス席の母」早見和真著

神奈川で看護師をしながら、野球に熱中する一人息子の航太郎を育てていた奈々子。
大坂の野球振興校からスカウトされて母子で移住し、甲子園を夢見て頑張るが…
高校球児の母の視点から書いた小説と評判になり、本年度本屋大賞ノミネート。
汗みどろになって頑張る球児も大変だが、その親も大変。
通常の練習見守りや試合毎の遠征、父母会の中での闘い、監督のご機嫌取り。
そしてある日、正規の寄付金の他に、監督に8万円を出せと言われる。
一人8万円×1~2年生の部員50人=400万円。
思わず批判めいたことを言ってしまった奈々子に監督は激高、父母会の一人が必死にとりなしてどうにか納まるが、彼女は後でこう言う。
「あんたの正義感なんかどうでもええ。何が正しくて、正しくないかなんて関係ない。高校野球における監督は絶対の存在や。子供たちの生き死に握っとんのはあの人なんや!親が物申すことなんかあったらあかん。あんたはまだそんなこともわからへんの?もしあそこでキレとったら、あんたのとこの子が干されるだけやない。うちの子にまで迷惑がかかっとったんや!」
いやいや、大変。
甲子園球児たちの親たちには、こんな世界があったのね。


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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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zooeyさんへ (くりまんじゅう)
2025-04-16 22:36:50
『リラの花咲くけものみち』は原作を読む前にTVドラマを観ました。
図書館の順番がなかなか来ませんでしたが やっと借りられるようになりそうです。
じっくり読んでみます。
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くりまんじゅうさま (zooey)
2025-04-16 23:29:55
テレビでやっていたことを知りませんでした。
残念なことをしました。
原作、私は泣きましたよ~
チドリが亡くなるところで。
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Unknown (nana )
2025-04-17 05:59:49
テレビドラマ、見逃してしまったのですが、タイトルにリラとあり、北海道で撮影していたようなので、秋の北海道の風景を見たいなと思っていました。
大造じいさんとガンといえば今も読まれている名作です。
原作を読んでからドラマを観ようかな。
返信する
Unknown (mika)
2025-04-17 09:41:42
リラの花咲くけものみち~NHKなので
登録さえすればNHKオンデマンド(無料)で
見れますよ。ご参考までに💛
私はドラマ先にみちゃったので…
本読んでみたくなりました。
アルプス席の母〜どの世界も…
お金なんですかね~何だかなぁ。
返信する
nanaさま (zooey)
2025-04-17 23:49:36
北海道の風景、映像ではさぞ綺麗だったでしょうねえ。
惜しいことをしました。
私も椋鳩十の本、好きでした。
フクロウの子が母親をずっと待っている話が好きで、今も覚えています。
返信する
mikaさま (zooey)
2025-04-17 23:51:37
ああ、オンデマンドで観るという手がありましたね。
本とドラマ、どっちがいいかしらねえ?
アルプス席の母、あまりにも衝撃的だったので
ここではマイナス面だけを取り上げましたが、
爽やかな青春小説でもあるのですよ。
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