Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「ある天文学者の恋文」

2016年10月06日 | 映画


『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』の巨匠ジュゼッペ・トルナーレ監督と
エンニオ・モリコーネの音楽というので、期待しすぎちゃったかな。

若く美しい大学生エイミー(オルガ・キュリレンコ)は、大学の天文学者エド(ジェレミー・アイアンズ)と
6年越しの秘密の愛を育んでいた。
しかしある日突然、エドの訃報を知る。
呆然とするエイミーの元に、その後もエドからのメールや手紙、ビデオが届き続ける。
その謎を解き明かそうと、エイミーはエドが暮らしていたエディンバラや
かつて二人で過ごしたイタリアのサンジュリオ島を訪ね歩くのだが…



”数十億年前に死してなお、地球に光を届ける星々のように、命尽きても我々の愛は
大切な人たちの行く先を照らし続けることができるのか。”(HPより)
そんな壮大でロマンに満ちたストーリーといっても
結局のところ、単なる不倫劇じゃないかと思ってしまう。
エイミーの同い年というエドの娘や、妻にとってはたまらないでしょう。
つまりは、自分が死んだ後も忘れられたくないという、老いた男のエゴに感じてしまう。



エイミーの過去のトラウマを解きほぐしてやりたい、
自分の死によって絶望しているエイミーを慰めたいという男の思いやりも
あまりにしつこいメールや手紙やビデオ攻撃に、観る側はちょっとうんざり。
その謎解きはあまりに原始的だったし。
「老いた魔法使いは見捨てない」という彼のメッセージは
「死んでもなお、どこまでもつきまとってやる」という呪縛に見えてしまったのでした。



ただこれは、エドが天文学者でなければ成立しなかった話でしょう。
「天文学者が普段観測している光は、すでにこの世にないはずの光」
という着眼点が、この話のすべての始まりである気がします。
エディンバラやイタリアの湖水地方の映像はとても綺麗。
あの意味あり気に出て来た健気な黒い犬「ブッチ」が、私には一番印象的だったか。
重要な伏線かと、期待してしまったのでした。

脚本もジュゼッペ・トルナトーレ、原題「CORRESPONDENCE」。

「ある天文学者の恋文」 http://gaga.ne.jp/tenmongakusha/
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 間髪を入れずに | トップ | 寝そびり猫とチャイ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (セレンディピティ)
2016-10-09 11:45:50
こんにちは。
私もこの作品、予告を見て気になっていたのですが...
zooeyさん的には今ひとつでしたか。

ヨーロッパを舞台にしたミステリー、年の離れた2人の恋
...
と前作の「鑑定士と顔のない代理人」のような作品を勝手にイメージしていました。

亡くなってからもメッセージが届くというのは
2人の関係(愛情の深さ?)によって受け止め方が変わってきそうですね。
返信する
セレンディピティさま (zooey)
2016-10-09 22:54:44
「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」が泣きたいくらい好きなので
その路線を期待していたのだけどね
崇高なる愛とか言ってるけど、たかが不倫じゃないかと思っちゃったの。
男の、奥さんや娘(愛人と同い歳!)にしてみたら、たまったものじゃないだろうと。

メッセージの数が又、半端じゃないのですよ。
是非ご覧になって、感想をお聞かせくださいまし~
返信する

コメントを投稿