活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【7月5日】

2024-07-05 | 電子書籍

太平洋戦争の記録物語は数多いですが、硫黄島の話といえば栗林中将のものが有名です。おうおうにしてそこにいた軍人からの目線で描かれています。それぞれの兵士たちがどう戦ったのかを知るのはいいのですが、野戦病院長の目線で書かれた玉砕の硫黄島に生きた 混成第二旅団野戦病院という本がkindle本で目についたので読みました。著者はここの院長の軍医大尉ですが、この大戦なんと3度目の召集でした。それもよりによって硫黄島でした。サイパンを制圧した米軍はここを制圧し不沈空母とします。ここからB29が日本列島に向けて飛び立ちましたが、日本軍としてはなんとかそれは避けようと激戦が繰り広げられました。米軍もこの戦いでの損失は想定外のものでした。日本戦闘部隊がついに玉砕した後も病院は残ります。院長は最後は軍医兵士たちで(軍事訓練を受けていません)玉砕攻撃も考えましたが、赤十字条約を思い出し、生き残って島に残った傷病兵を助けることが義務だと思い直し、事実上米軍に米軍に投降します。米軍も赤十字上粗略の扱いはせず(勿論一般の俘虜も)十分な手当をされます。DDTを頭から浴びて悩まされていたシラミ、南京虫攻撃から逃げることができ安眠できたのでした。米軍の戦闘は9時〜5時のような戦いで、キャンプからはジャズが流れていたそうです。その後、グアム、沖縄で医療活動を行い、終戦時は35歳でした。軍人とはいえ根っからの軍事教練を受けていないので、冷静な目線で戦況を把握していました。TIME誌を手に入れて読めたので、戦況は比較的客観的に把握できました。沖縄で終戦を迎え、戦後は南米にわたって医療活動を行いました。戦闘部隊とは違う目線が特にアメリカの戦いぶりがよくわかりました。

「玉砕の硫黄島に生きた 混成第二旅団野戦病院」野口巌 文芸社EPUB

 

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