山の帰り道を読了。作者は山人間だけれども、この本はタイトルから想像する紀行文ではなく、山と酒と文学のエッセイ集であります。山は意外なほどの上級者ぶりで、40代のときは本場アルプスのアイガーで滑落し大怪我を負ったことがあるくらい。椎名誠を除くあやしい探検隊の面々の名前がちょくちょく出てきます。ボクの好きな山岳写真家だった岡田昇は2002年に奥穂で遭難死(装備は見つかったのに遺体は見つかっていない)したのですが、その時の捜索を手伝ったりしています。一方最近は年を取ったので高山は登らず低山ばかりで、特に住んでいる町田界隈は歩き倒しているし、万葉集につられて大和路を歩いたりしています。どのエッセイも酒場が絡みますね。この本で知ったのは小中学校の教室というのは64平方メートルで規格化されていること、幸田文の「崩れ」が面白いということでゲットしたことです。ボクも大和路を歩くのを先々の楽しみとしているので、気持ちが通じました。
「山の帰り道」沢野ひとし 角川文庫電子版
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