天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

三浦しおん『仏果を得ず』

2011-10-10 12:41:05 | 
仏果を得ず (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社


むさぼるように読んで、たちまち読了。なんちゅう筆力でしょうか。物語としての展開はもちろんのことですが、初心者にも分かる文楽の知識がそこかしこにちりばめてあって読みやすく、なんておもしろい!ちょうど来月見に行く予定にしていたのでたいへん勉強にもなりました。
主人公は30歳すぎの義太夫の太夫。文庫版の帯には「青春小説の傑作」とありましたが、そうか近頃は30歳でも青春と言ってもらえるのですな。義太夫は語る人、文楽といえば人形。人形遣いを主人公にしていないのがまた憎い。語りの表現についての主人公の悩みと恋愛に関する悩みが織りなさられ、それを支えるわき役たちのキャラクターがもう楽しい。人間国宝の師匠なんて、一般常識欠如のやんちゃ坊主のようで、ふりまわされる主人公ににやにやしてしまいます。
文楽は世襲のような方が半分、研修所出身の方が約半分。よく言われるように人形遣いは足が10年、左遣い10年やってやっと頭が操ることができる非常に時間がかかる芸能。タイトルは全部読んだときにずしーんと胸にこたえる言葉です。


あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

合わせてこちらの文楽エッセイも。文楽の舞台裏やら、作品の背景とか見方とかの解説。軽く読めるけど奥深いです。

大阪は文楽の発祥地。落語でも素人が義太夫語ったり、習ったりしていますが、これって私のようです(笑)昔は文楽とかは庶民の芸能だったんだなあ~、と過去を振り返るように思っておりましたら、こんな情報を入手。
大阪のてっぺん 浄瑠璃の里 能勢
我が家からも遠くない、大阪府豊能郡能勢町には200年の伝統を誇る素人浄瑠璃の伝統があるそうです。独自の家元制度で人口もさほど多くない町で浄瑠璃人口200人って一体どうなっているんでしょう!
しかも、近年には人形を使っての劇団まで旗揚げ鹿角座。ご指導には人間国宝のお名前も!
本来の文楽のように新しい作品も生み出す鹿角座の作品には、宇宙人がでてくる新作も。
話は戻りますが、人形を使わない浄瑠璃(素浄瑠璃)が200年も伝わるとは、見るほうも演じるほうも純粋に楽しみとして地域に根差しているのでしょうね。こちらもいつか拝見したいものです。
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4 コメント

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Unknown (なの)
2011-10-10 16:28:18
現代が舞台の小説ですか?
三浦しおんもいろいろ書いてるんですねえ。
まほろ駅前も、キャラクターがなかなか工夫されてたし・・・
おもしろそうです
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Unknown (のぶりん)
2011-10-10 21:43:13
あらま!
先日旅のお供に「あやつられ~」を買ったところでした。
確か、●っつんパーティーの時に文楽の話が出てたので、なんとなく買ったのです。
まだ読んでないので、読んだら次は「仏果を得ず」を読みます。
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re:なのさま (faye-y)
2011-10-10 21:43:27
現代が舞台です。
大阪の言葉にも違和感がないですよ。

文楽は安ければ3000円以下で見られる席も
あるんですけど、少ないのであっという間に
売れてしまって、今度行くのは6000円近い席です。
ああ、起きていられるでしょうか…。
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re:のぶりんさま (faye-y)
2011-10-10 21:46:59
おやまあ、『仏果を得ず』貸しますよ。
文楽にも行きましょうよ。
11月公演の安いほうの席は売り切れ間近ですけど、
1月公演(12月に発売)は狙いを定めて行きましょう!
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