カラーパープル (集英社文庫) | |
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学生の頃に感銘を受けた作家はというと、アリス・ウォーカーとエイミ・タンを上げます。
どちらもアメリカの作家ですが、アフリカ系と中国系、さらに女性。マイノリティという点で共通しているのでしょうか。
『カラーパープル』は、授業の課題で読んだのですが大変にショックを受ける内容でした。児童文学概論でなぜこの本が課題だったかは忘れたのですが、折りにふれ思い返す作品です。差別される黒人社会、さらに差別される女性はまさに底辺の存在。その根深さ。
16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。愛する妹も夫に襲われ、彼女は失意のまま、アフリカへ渡った。……黒人社会の中に巻き起る差別、暴力、神、性といったすべての問題にたち向い、やがては妹との再会を信じ、不屈の精神を糧にするセリー。女の自由を血と涙で獲得しようとする女性を描く愛と感動のセンセーショナル・ノベル。ピューリッツァ賞、全米図書賞受賞。ペーパーバックスで既に400万部を突破した。 <引用>
物語はネリーが書いた手紙として構成されています。
最初、誰も頼る人がいないネリーは神さまへの手紙として文章を書きます。しかし、すべてを知ったときネリーは「神と闘う」と宣言して…。ネリーが自分の足で立つ瞬間、そして歩きだす時。今でもはじめて読んだときの感動を思い出せます。詳細を書きたいのですが、これはぜひご自身で感じてほしいので駄文は書きません。
さて、『カラー・パープル』の登場者が主人公である『喜びの秘密』は、アフリカにおける女性割礼という大変重いテーマを扱った作品で読んで苦しくなりました(痛いしね)。社会の底辺にいる女性の解放というメッセージ性の強い作家です。
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