紅い螢高畠 寛ブイツーソリューションこのアイテムの詳細を見る |
私が通教部から通学部に移った理由は高畠チューターに「一回、通学に来てみたら?」と言われたこともあったので迷わず高畠クラスに入りました。少人数だったからこその濃い空間で、一緒に通教から通学に移ったmambonさんともども「あの一年は濃かった」と振り返る<何か>があったクラスでした。
さて、そんな高畠チューターが本を出されまして、その合評会(読書会)に出てきました。
・・・いつもと違う。そうです、まな板の鯉こと高畠チューターは下を向いてメモ取り。間にひとことも挟みません。私もここぞとばかりに発言。作者は最後のまとめにしか声を発せず。読み手がさまざまに受け取った感想は作者の意図を超えたものもあったようで、そのあたりを嬉しそうに喋っておられたのが印象的。
合評は二作「紅い蛍」と「山崎の鬼」。
「紅い蛍」は歌謡曲「北の蛍」をベースにした作品で、60歳を越えた主人公が学生時代のことを回想するという話。恋愛小説っていうことでしたが、私は恋愛を舞台にした人間関係の物語だと思いました。恋愛は要素。若い彼らの思いは恋愛にまでは至ってないように感じました。でも、きっとその年代ならそれが精一杯だったんでしょう。だからこそ、ずっと主人公はそのときのことを忘れてしまっていた。それが溢れだしたのが人生の最後付近。構成上も面白い作品でした。
「山崎の鬼」は作品集のなかでもっとも好きな話になりそうな予感です。読み取り方がいろいろあって、合評もそれぞれの意見に個性があっておもしろかったです。こういう遊びがある作品というのはやはり書ける人しか書けないのでは?
事故を起こした主人公が迷い込んだ山崎に住む鬼の世界。それは現実を微妙にトレースしていて・・・。
まだ、別の合評会にも出るので他の作品の感想は改めて。