モンテッソーリ子どもの家アイアイ

愛知県刈谷市モンテッソーリ教室です。
子どもたちの主体的な活動を大切にしています。
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息子(小5)の愛読書『はだしのゲン』

2014年05月31日 | 子育て記録

以前、広島旅行の記事を書きましたが、
あれから、息子が毎日のように読んでいる本は、はだしのゲン コミック 全3巻完結セット (中公愛蔵版)です。暇さえあれば、繰り返し読んでいます。

折り紙ブームは、一段落したようです。
切り紙クラブも4年生で終わり、
今年はパズルクラブでオリジナルパズルを作成するそうです。

さて、この『はだしのゲン』
タイトルは知っていても、読んだことのない人もいるのではないでしょうか。
実は、私も夫も、そうでした。

自分たちが読んでいないので、5年生の子にどうなんだろうとは思いましたが、
息子の小学校で人気でいつも本棚になくて読みたいというので、購入したのです。
家族で一気に読みました。
私は、涙なしでは読めませんでした。

はだしのゲン コミック 全3巻完結セット (中公愛蔵版)
の3巻のあとがきで、呉 智英さんは、こう書かれています。

「この作品は不条理な運命にあらがう民衆の記録なのだ。
 稚拙な政治的言葉しか持ちえなくても、
 それでも巨大な災厄に立ち向かおうとする人々の軌跡なのだ」と。

反戦反核を訴えた良いマンガか、悪いマンガか?

「この不幸な読まれ方以外に『はだしのゲン』の読み方はないのか。
 もちろん、ある。
 素直に読むことだ。そして、素直に感動することだ。
 とってつけたような政治の言葉でそれを説明しないことだ。
 その時、作中人物に稚拙な政治的言葉しか語らせられない
 中沢啓次のもどかしさも感じられるだろう。
 歴史的災厄を体験した人の悲しみは、そんなにも深い。
 その深みを埋めるために、人間は作品を作る。
 中沢啓次もまた『はだしのゲン』を描いたのである。」


少し前に、閲覧制限の問題もありましたね。
私は、実際に読んでみて、教育的に問題だとは思いませんでした。
むしろ、読んだほうがいいと思いました。
ただ、年齢は考慮した方がいいと思います。
当然ですが、事実に基づくからと幼いお子さんに与える本ではないです。

今は、戦争を直接体験された方から話を聞く機会も減っています。
息子は、普段は、学習漫画を読んだりはしますが、活字の本を選んでいるし、
「自分で想像できるからマンガより普通の本が好き」と言っています。
でも、マンガだからこそ、知らない時代をリアルに感じることができるのかもしれません。

戦争って、なんてひどいんだ、ばかげているんだと知る。
そうした人間の負の部分を知る。
でも、過去の人が、どれほど伝えようとしていても、
今、生きている人が、伝えようとしなければ、知ろうとしなければ忘れられてしまう。
負の部分から目をそらしてはいけない。

息子は、そんなことを受け入れられる年齢になってきたようです。


ゲンは、作者の中沢啓次さんがモデルです。
6歳で被爆し、原爆で父、姉、弟を亡くし、原爆症で母、妹も亡くしています。
はだしのゲン わたしの遺書に、体験を書かれています。
マンガにしたとき、「気持ち悪い」「情操によくない」とも言われたそうですが、
原爆の残酷さを目にすることで、
「こんなことは決して許してはならない」と思ってほしいとの思いだったそうです。
でも、次の世代の子どもたちには、人間のよい部分をバトンタッチしてやりたいと
優しさ、思いやり、家族愛も意識してかいたそうです。
息子は、この部分に魅かれて何度も読んでいるのではないかと思いました。
息子に何が好きか聞いてみたら、「ゲンが好き」なんだそうです。
強くて、優しくて、正義感あふれるゲン。
一人っ子の息子にとっては、ある意味、お兄さんとしてのお手本になっているのかも。


アニメにもなっていますが、アニメ化したきっかけは、
『はだしのゲン』を読んでいるはずの中学生の娘さんが
戦闘アニメを見て興奮していたからだそうです。
核ミサイルが発射されるシーンで「やった!」などとさけんでいたのを見て、
伝えたかった原爆や戦争の実態が何も伝わっていないのかと落胆し、同時に、
アニメというものの、子どもの心をつかむ威力に驚いたそうです。

そして、『はだしのゲン』は、たくさんの言語に訳されて、世界中で読まれています。
英語版が完成したとき、中沢さんは、「核なき世界」を目指すと演説したオバマ大統領に
期待を込めて贈ったそうですが、残念ながら、オバマ大統領には届いていないそうです。
いつか届いてほしいと思います。


今、このブログを読んでくださっている方は、
小さいお子さんをお持ちの方が多いと思います。
今は、負の部分を与える必要はないです。
来たるべきときが来たときでよいのです。


小さい頃は、自然、美しい物、楽しいこと、人の思いやり、親切さ、暖かさ…
よいものにたくさん出会わせてあげてほしいと思います。
それが、その子の心の糧となっていくのではないかと思います。

ぜひ、こちらもお読みください。
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