7月30日~8月1日まで、
第46回モンテッソーリ全国大会in宮崎に参加してきました。
初めての参加でしたが、
先生方の講演会、興味深い研究発表など、とても勉強になりました。
もちろん、アイちゃん先生の発表も聞いてきました。
今まで以上に、お母様方にモンテッソーリを知っていただきたいと強く思いました
そこで、よくお母様方からご質問のあるファンタジーについての研究発表がありましたので、
簡単にですが、お知らせします。
発表されたのは、立命館大学准教授の岡本直子先生です。
先生は、臨床心理士、芸術療法士でもあり、心理学の方面から考察されています。
また、4歳の娘さんがいらっしゃいます。
岡本先生には、こちらのブログに掲載することの許可をいただいています。
モンテッソーリ教育に携わる先生方やお母様方は、ファンタジーについて
戸惑いをもたれている方が少なくない。一般園の先生方やお母様方には
このような戸惑いはあまり見受けられない。
そこで、ファンタジーの善し悪しの価値判断は別として、幼児がファンタジーで
遊ぶ場合にどのような現象が生じているか、危険性等がある場合はどうすればよいかを
モンテッソーリ教育に携わる皆で考え、共有していきたいということで発表されました。
過去の実験報告をもとに、考察されていました。
【実験報告】
1.「嘘をあげつらう対応」に対する反応タイプと年齢毎の事例数
2.「真に受ける」対応の直後の幼児の感情反応
以上の結果、幼児の年齢によって反応が変わることがわかり、
大人がどのように幼児にかかわっていけばよいかを
分かりやすく説明されていました。
それから、よく「8倍のスローモーション」がわからないという声をお聞きしますが、
アイちゃん先生の発表の中で、
8倍のスローモーションで…ということを、ただゆっくり見せるという映像と、
動きを分析してゆっくり見せるという映像を比較して、ご紹介されました。
これは、映像で見ていただくと、違いがよくわかると思います。
よくわからないという方は、IT勉強会「てんしのおうち」をご検討くださいね。
全国大会ということで、なかなかお会いできない先生方や初めてお会いする先生方からも
お話を伺う機会をいただき、よい刺激になりました。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
【ファンタジーについての追記】
岡本先生の論文はこちらに掲載されています。
学会誌は、日本モンテッソーリ協会HPより購入できます。
学会誌45号2012「幼児期におけるファンタジーの諸相」
学会誌48号2015「幼児期における現実とファンタジー」
『モンテソーリの発見』E.M.スタンディング著 p498より
”六、七歳のこどもにとっては得るところのあるこうした話も、
二、三歳、あるいは四歳のこどもにとってさえ、それは意味の違ったものになります。
モンテッソーリによれば、この段階でこうした話をすることが、
こどもを深く傷つけるばかりか、永久的な傷を負わせることになるかも知れないのです。”
おとぎ話についての記載はp496~512をご参照ください。