餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

ブレーメン頂上雷鳥

2024-08-26 00:07:01 | アート・文化

「はしもとみお展 -時を刻むいきものたち-」と「絵本の旅 グリム、世界の昔話、ゆかりの作家と神戸の出版社」を見て来ました。
「はしもとみお-」木彫りの動物たちなのですが、彫刻っぽくない。綺麗にとか恰好良くとか彫像ぽくないんです。表面に気の削ったままの後とか残っているのにリアル。その辺の野良猫やわんちゃんがただいるみたい。あらいたの、って感じです。作者の人のこれで終わりと決めるのはこれ以上彫ったら血が出ると思うまでと。やっぱり生きているように思うんだと。ソファーの上に一体欲しい感じです。
「絵本の旅-」神戸市兵庫区のBL出版株式会社の手がけていた半世紀にわたる絵本の原画展です。あー、昨日来たら豊福まきこさんの読み聞かせ&サイン会があったんだ(2/10参照)。うーん、行けないけど。見たかった。古典から名作から身近な考え方まで、色々な絵本の世界が広がっていました。
澤村伊智「アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿」読了。
癖者揃いの娯楽系ウェブマガジン「アウターQ」の編集部。新人ライター湾沢陸男は小学生の遊んだ公園の落書きを調査することに。うーん、都市伝説系の話かなと思っていたらもっと残酷な話でした。ホラーに近いかも。実際あった事件をもとにしたと思える花火大会の歩道橋事件の話も。その後の詳細を知っているのであれっ、と思ったら後で出て来ました。うわぁ、人間の悪意って怖いよ。知っていたら読まなかったかも。不覚です。


延々と読んでしまう

2024-08-18 00:14:57 | アート・文化

「イタリアボローニャ国際絵本原画展」に行って来ました。
毎年いろんな才能が出て来るなと。今年は南米の作品が多かった気がします。やはり動物物が可愛い。深刻なのより今年はほのぼのが多かったような気がします。そしてミュージアムショップで悩む。外国の絵本は高い。色々売っていましたが、国内の本を1冊だけ買いました。
白井紺子「後宮の烏」読了。
後宮の奥深く夜伽をすることのない「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は老婆だったという者もいるし少女だったという者もいる。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物探しまで引き受けるという。時の皇帝・高峻はある依頼のため烏妃のもとを訪れる。やる気のない烏妃と追い返されても気にせず来る皇帝のやり取りが面白いです。二人とも色々面倒くさいことを背負っていて。いやいや働く烏妃に同情。できれば何もない平和な時に過ごしたいものです。


次の時代は俺が作る

2024-08-12 00:15:22 | アート・文化

「信濃橋洋画研究所 大阪にひとつ美術の花が咲く」に行って来ました。
大正末から昭和初期にかけて大阪が面積人口ともに日本一になった大大阪時代。その時代大阪市西区信濃橋交差点に「信濃橋洋画研究所」が誕生しました。東京や京都に比べて芸術の実らない地とされてきた大阪で、洋画を志す者の指導を目的に開催されたものです。なんだろう、熱いです。確かに古いんだけど今日見たブルーピリオドの作品に似ている。デッサンに奮闘したり、新しい技術を取り入れようとしたり、絵そのものがエネルギーのような。同じ窓から見た風景画なのに先生によって違うのが面白かったり。看板の字まで正確に描くのに建物の位置を変えてる先生、そのままでざっくりな先生。デッサンになれない生徒が目から正確に描きだすので最初はお化けが出来上がるとか。時代を超えて同じようなことが起こるんだなと。何とか表現しようという気持ちが熱いです。
ほしおさなえ「言葉の園のお菓子番 未来への手紙」読了。
祖母が通っていた連句会・ひとつばたごに祖母の亡き後祖母の代わりにお菓子を持って行ったところその連句会に通うことになった一葉の物語、第五弾です。お菓子はいよいよ二周目に。定番だったり変えてみたり。今回は他の連句会に参加する話や文芸マーケットの話も。文芸マーケットの描写を読んでコミケやんと。そう言えばコミケでも文芸誌は売っていたぞ。今はどうか知らないけど。今は文芸も熱いのね。一葉の職場でも期間限定の文芸同人誌のコーナーを作ることに。今回は一葉のお父さんの写真の話も出て来ます。そうそう現像するまでわからなかったのよね。昔と今とがいい具合に交差していきます。連句をどうやって発信していくかの話も出て来ました。楽しそうだけど難しそうなのよね。


真実はインクの中に

2024-08-04 22:50:41 | アート・文化

「アンサンブル・ショコラ MANDOLIN CONCERT Summer,2024」に行ってきました。
今年はコロナ前の会場に戻っていました。クラッシックからポップスまで色々。今年はアラビアっぽい曲が多かったです。癒されます。今年は久々に合唱もありました。「明日があるさ」歌うと意外と健康に良さそうなのに気が付きます。肺活量が鍛えられるのか。1年ぶりに訓練校時代の友人に会いました。元気そうでよかった。
福田悠「京都伏見の榎本文房具店 真実はインクに隠して」読了。
商店街の文具店なので人情ほのぼの展開かなと思っていたのですが。黄色い菖蒲を取りに行って亡くなった少年の遺書や、父親が友人に送った高級万年筆の謎とか、人気イラストレーターの転落事故の謎とか。結構重いよ。鉛筆や万年筆や高級墨など、文具の知識もちりばめられて。本格な推理小説でした。