エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

侘助四題

2015年01月17日 | ポエム
椿の花の中でも、より早く咲く。
それが侘助であるのだ。

そう、ここ東京では今が見頃である。
「壷んで咲く」椿があったら、それが侘助である。
ものの本によれば「半開状に開く」とある。
ふむふむ・・・。



これは「数寄屋侘助」という。
どの侘助よりも早く咲くのである。

ピンクの花が可憐なのだ。
侘助は、直ぐ花が饐える。

花弁の先から茶色になって、饐えてくる。
だから・・・早く見に行かなければならないのだ。
急ぎ給えよ、同志諸君!

次は「一子侘助」である。







「身を屈め一子侘助笑み零す」







この花は「紺侘助」である。
紺というよりも深い「紅色」である。
説明の看板には「暗紅」もしくは「黒紅色」とある。

昨夜の雨が、まだ滴となっている。
何とも風雅な景色である。

次は「絞り侘助」という。



赤と白のコントラストが鮮やかである。
ごめんなさい・・・写真があまり良くないね!

ところで、侘助と云う花の所以は心地良く花のオマージュにぴったりである。
かの茶人、利休も好んで茶室に挿したのである。
豊臣秀吉に命じられ、切腹の朝にも利休は茶室にこの侘助を挿したのであった。

その侘助を挿した下人の名前が「侘助」であったから、以後この花はそう称されたとの説もある。
けれど、かなり眉唾である。

比較的好んで茶花や庭木とされる。


「侘助や障子の内の話し声」
          虚 子


といった名句もある。
秘めたる事の探究心を擽(くすぐ)られるのである。



      荒 野人


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
風情 (さとうまさこ)
2015-01-17 11:18:52
侘助とはいい名前ですね。
きょうの写真も、句も心に響きます。
感謝!
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まさこさんへ! (荒野人)
2015-01-18 18:06:32
わびすけ・・・本当に良い名前です。
半開きの控えめな花。
わびさびを体現したかのような花です。
返信する

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