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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

花散らしの雨

2013年03月28日 | ポエム
朝から雨が優雅に舞う。
篠つく雨である。
しっとりとして、けれど体をしとどに濡らしていく。



傘をさして歩いていても、緩やかに降る雨は横に舞ったり、縦に舞い上がったりして体に纏わりつくのである。
正に霖雨である。
だがしかし、情感溢れる雨である。

書斎の窓から、降る続ける雨を眺めている。
ベランダの柵から雨が滴る。
まるで生き物でもあるかのように・・・。







「花散らす雨粒一つ命名す」







花筏を見に出かけようと思ったけれど、今日は屋根に降る雨に閉じ込められてあげようと思う。
雨は生き物であって、いじらしいほど愛おしいのである。



今年初めて土筆を見た。

こんな日、雨粒の一つ一つに命名したくなる。
これは「伽耶子」、これは「祥子」、これは「和歌子」、これは「榮子」、そしてこれは「樹理と理李」など。
縁も所縁もないけれど、それぞれの名前のままに生きているだろう遠い人たち。



袖触れあった事もないイマージュの女性たちよ。
花散らしの雨に、きみたちは女神となって立ちはだかれよ。

けれど、季節の深化には抗うな。
なすがままに任せよ。

自然の摂理こそ、悠久の大義である。



     荒 野人


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ripple)
2013-03-28 16:11:53
花散らしの雨を
降らせているのは
海の中の
アメフラシが
かもしれない
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