北原白秋の詩は、見事に韻を踏んでいる。
からまつ
北原白秋
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
からまつの林の奥も、
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。
美しい韻である。
あまりに美しすぎてぼくは歌にならないと思った。
八ヶ岳の麓はいま、秋と冬の攻防戦・・・陣取り合戦が熾烈を極めている。
それだけに空気も色も美しすぎる。
落葉松の秋
落葉松の秋は過ぎ行く日々
落葉松の秋は来る明日への希望の灯
落葉松の秋は明日への架け橋
男が泣く時
男の胸は美しき愛情で膨らみ続けている
砕け散るような胸の熱さは
痛みを分かち合うことのない
落葉松の潔(いさぎよ)さ
落葉松の林に入りて出ずる
ああ
そはぼくの愛する彼岸への旅立ち
さらば
ぼくの愛する落葉松の小道よ
その細やかな小道をくぐり抜け
豊かな人に辿りつかん
落葉松の秋は来るべき
夢の日々
ぼくの胸は張り裂け続ける
張り裂け続けても
ぼくは生き続けるのだ
次の年も
また次の年も
ぼくは金色の絨毯を踏みしめるのだ
と言おう
次の年も
そのまた次の年も
ぼくは愛する人と
金色の絨毯を踏みしめたいのだ
冬を前にして、もう八ヶ岳の麓の陽だまりでは木蓮の芽が膨らんでいた。
希望の真綿で包まれていた。
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荒野人
からまつ
北原白秋
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
からまつの林の奥も、
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。
美しい韻である。
あまりに美しすぎてぼくは歌にならないと思った。
八ヶ岳の麓はいま、秋と冬の攻防戦・・・陣取り合戦が熾烈を極めている。
それだけに空気も色も美しすぎる。
落葉松の秋
落葉松の秋は過ぎ行く日々
落葉松の秋は来る明日への希望の灯
落葉松の秋は明日への架け橋
男が泣く時
男の胸は美しき愛情で膨らみ続けている
砕け散るような胸の熱さは
痛みを分かち合うことのない
落葉松の潔(いさぎよ)さ
落葉松の林に入りて出ずる
ああ
そはぼくの愛する彼岸への旅立ち
さらば
ぼくの愛する落葉松の小道よ
その細やかな小道をくぐり抜け
豊かな人に辿りつかん
落葉松の秋は来るべき
夢の日々
ぼくの胸は張り裂け続ける
張り裂け続けても
ぼくは生き続けるのだ
次の年も
また次の年も
ぼくは金色の絨毯を踏みしめるのだ
と言おう
次の年も
そのまた次の年も
ぼくは愛する人と
金色の絨毯を踏みしめたいのだ
冬を前にして、もう八ヶ岳の麓の陽だまりでは木蓮の芽が膨らんでいた。
希望の真綿で包まれていた。
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