エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

谷崎忌

2012年07月30日 | ポエム
今日は、谷崎潤一郎の忌日である。
谷崎忌は、この真夏の時期、梅雨明け前後なのである。







「谷崎忌供えられたる和菓子喰い」


「瘋癲や既に彼岸へ谷崎忌」


「谷崎忌妻の姉妹の朧たけぬ」







明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得ているし、現在でもその評価は揺るがない。
正に「文豪」であり「大谷崎」である。



初期は耽美主義の一派とされ、過剰なほどの女性愛やマゾヒズムなどのスキャンダラスな文脈で語られることも少なくない。
だが「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」など、情痴や時代風俗などのテーマを扱う通俗性と文体や思想における芸術性を高いレベルで融和させた純文学の秀作によって世評は高いのである。



3冊とも新潮文庫である。

従って・・・と言うべきかどうか。
1960年代以降はノーベル文学賞の候補とされもし、また1964年(昭和39年)には日本人で初めて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選出されたのであった。





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  荒 野人


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