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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秋三題

2011年09月29日 | ポエム
秋が深化している。
朝晩の冷え込みは、油分の少なくなった肉体に響くのである。

秋の色。
彼岸花の緋色である。



天をつく紅さこそが魅力である。
この写真は少しくすんでしまっているけれどね。



秋の鬼灯。
繊維が目立つ袋から、真っ赤に熟れた実が「おいで!おいで!」をしている。



中の実だけを吸い取り、袋だけにすると可愛い唇で中の空気を追い出す。
キュッキュッと鳴くのである。



秋と言えば、虫の声である。
近頃は、ここぞとばかりに喧(かまびす)しい。



中でも、邯鄲の甘やかな鳴き声には心踊るのだ。



デジブック 『秋三題』





この草むらこそが邯鄲の棲家である。



彼岸花は彼岸の岸辺に咲く。



彼岸花は、現世と彼岸の懸け橋である。
鬼灯の音に目覚めるのか、それとも邯鄲の夢に現(うつつ)を見るのか。

どちらでも良い。
故人はこの世に未練など残さず、成仏して森羅万象を司り、輪廻して欲しいものである。

彼岸花はそんなことを想起させるのである。



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