脚本・田渕久美子さんの描きたい女性像って、こういうことなのだと思う。
つまり<自分の意思で生きていく女性>。
今回の江(上野樹里)がそうだった。
秀吉(岸谷五朗)の意思ではなく、自分の意思で佐治一成(平岳大)に嫁ぐ。
人は生きていく上で、多かれ少なかれ時代に翻弄されるが、時代に流されるだけでなく雄々しく立ち向かっていく女性。
それを田渕さんは江に託して描きたかったのだろう。
一方、田渕さんの<男性>。
多分、田渕さん、信長は好き。家康も好き。
だが、秀吉には感情移入して書いていない感じがする。
ユーモラスな雰囲気で描いてはいるが、基本はスケベ親父。
田渕さんは、秀吉のどこに魅力を感じて描こうとしているのだろう?
あるいは、このスケベ親父に皮肉を込めているのかもしれない。
というのは秀吉は常に女性に振りまわされている。
手に入れようとしていた市には、勝家と共に自害という形で裏切られる。
江も秀吉に屈服することなく、自分の意思で嫁入りをしてしまった。
茶々(宮沢りえ)には全くふり向いてもらえない。
まわりの女性すべてに反抗され、振りまわされている秀吉。
すべては女性の手のひらの上で踊らされている。
そんな女性上位というか、あわれな男性というか、そういったものを田渕さんは、秀吉を通して描きたいのではないか?
これがドラマとして面白いかどうかは別の問題であるが。
作劇としてはイマイチ。
嫁ぐことを了承するにあたって、江が出した条件。
これを当初、視聴者に明らかにせず、最後におね(大竹しのぶ)から茶々に語ることで描くという手法を取ったが、これはどうだろう?
何しろ江が出した条件というのが<茶々に邪な心を抱かないこと>。
これは視聴者をバカにしている。
そんなことなら誰もがとっくに予想している。
視聴者の予想を超える条件を江が出すことが、プロの作家の仕事なのだが、それをしていない。
「笑点」で、林家木久扇師匠が観客に先に答えを言われてしまうのと同じだ。
木久扇師匠の場合は、それが定番のギャグになっているからそれでいいのだが、ドラマで視聴者に答えを予想されてしまうのは作家の怠慢。
これを安易な物作りという。
プロの作家ならもっと頭を使え。視聴者の予想を裏切れ。
夜の秘め事のことも……。
これって「篤姫」でもやっていた。
要するに作家の引き出しが少ないのだ。
「篤姫」と違う点は、江が気絶する所だが、このことで「江」の作品の方向性が垣間見えた。
ギャグ路線。
でも、描かれるギャグが笑えればいいのだが、すべてスベっている。
前回の初(水川あさみ)が、はまぐりの香りに釣られて歩いていく所などもそうだが、ギャグが古すぎる。
つまり<自分の意思で生きていく女性>。
今回の江(上野樹里)がそうだった。
秀吉(岸谷五朗)の意思ではなく、自分の意思で佐治一成(平岳大)に嫁ぐ。
人は生きていく上で、多かれ少なかれ時代に翻弄されるが、時代に流されるだけでなく雄々しく立ち向かっていく女性。
それを田渕さんは江に託して描きたかったのだろう。
一方、田渕さんの<男性>。
多分、田渕さん、信長は好き。家康も好き。
だが、秀吉には感情移入して書いていない感じがする。
ユーモラスな雰囲気で描いてはいるが、基本はスケベ親父。
田渕さんは、秀吉のどこに魅力を感じて描こうとしているのだろう?
あるいは、このスケベ親父に皮肉を込めているのかもしれない。
というのは秀吉は常に女性に振りまわされている。
手に入れようとしていた市には、勝家と共に自害という形で裏切られる。
江も秀吉に屈服することなく、自分の意思で嫁入りをしてしまった。
茶々(宮沢りえ)には全くふり向いてもらえない。
まわりの女性すべてに反抗され、振りまわされている秀吉。
すべては女性の手のひらの上で踊らされている。
そんな女性上位というか、あわれな男性というか、そういったものを田渕さんは、秀吉を通して描きたいのではないか?
これがドラマとして面白いかどうかは別の問題であるが。
作劇としてはイマイチ。
嫁ぐことを了承するにあたって、江が出した条件。
これを当初、視聴者に明らかにせず、最後におね(大竹しのぶ)から茶々に語ることで描くという手法を取ったが、これはどうだろう?
何しろ江が出した条件というのが<茶々に邪な心を抱かないこと>。
これは視聴者をバカにしている。
そんなことなら誰もがとっくに予想している。
視聴者の予想を超える条件を江が出すことが、プロの作家の仕事なのだが、それをしていない。
「笑点」で、林家木久扇師匠が観客に先に答えを言われてしまうのと同じだ。
木久扇師匠の場合は、それが定番のギャグになっているからそれでいいのだが、ドラマで視聴者に答えを予想されてしまうのは作家の怠慢。
これを安易な物作りという。
プロの作家ならもっと頭を使え。視聴者の予想を裏切れ。
夜の秘め事のことも……。
これって「篤姫」でもやっていた。
要するに作家の引き出しが少ないのだ。
「篤姫」と違う点は、江が気絶する所だが、このことで「江」の作品の方向性が垣間見えた。
ギャグ路線。
でも、描かれるギャグが笑えればいいのだが、すべてスベっている。
前回の初(水川あさみ)が、はまぐりの香りに釣られて歩いていく所などもそうだが、ギャグが古すぎる。