平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第30回 「黄金狂時代」~選手村はお祭り騒ぎ。「平和なのはフェンスの内側、選手村の中だけ! それじゃいかんのだよ」

2019年08月12日 | 大河ドラマ・時代劇
 選手村はお祭り騒ぎですね~。

・100メートル自由形で金メダルを獲って、実況放送!
・一方、800メートルリレーの大横田(林遣都)は胃腸カタルで腹痛!
・前畑秀子(上白石萌)はお守りの紙(しかも縁結び)を飲んで(?)、腹痛!
・小池は女子選手の水着姿に発情して集中できず、「スポーツで発散するんだ!」と諫められる!
・嘉納治五郎先生(役所広司)はファンの集い!
・高石の勝っちゃん(斎藤工)は大横田の腹痛で800メートルリレーに出られるかと思ったら、結局出られず……。

 悲喜こもごも。
 でも、このてんやわんやが楽しい。
 高石がもし800メートルのリレーに出て金メダルを獲っていたら、感動的なドラマになっていただろうが、それが起こらないのも現実。
 一方、高石がプレイングマネージャーに徹して、勝利した選手たちを出迎えるのもドラマ。
 こんなさまざまなドラマがあるのが選手村だ。
 
 しかし、選手村の外では──

・ヒトラー、ムッソリーニといった独裁者の出現。
・日本の実質的な満州領有。これに対する国際的な非難。
・アメリカの軍艦の演習。

 こんな状況に対して、嘉納治五郎は言う。

「分かるか? 
 平和なのはフェンスの内側、選手村の中だけ!
 それじゃいかんのだよ」

 ヒトラーについても田畑政治(阿部サダヲ)に、

「ユダヤ人を公然と差別するような男だぞ。
 そんなやつのお下がりなど絶対に要らん!
 スポーツが政治に屈するなど絶対にいかん」

 オリンピックと選手村は『夢の世界』であり、選手村の外とオリンピックが終わって戻る世界は『過酷な世界』なのだ。
 だから田畑は言う。

「あ~あ!終わっちゃうな。
 始まったら終わるだろ?
 終わったら帰らなくちゃいけないだろ?
 ずっと居たいよ~~!」

 子供がイキイキと遊ぶ楽園はすぐに失われてしまう。
 ………

 美濃部孝蔵(森山未來)パートは、おりんさん(夏帆)がたくましくなったねえ。
 以前は世間知らずのお嬢さんだったのに、なめくじがいても、どんなに貧乏でも動じない。
 屑屋にインチキラジオを掴まされても、質屋で断られても全然、平気!
 ケラケラと笑っている。
 同時に孝蔵のことも真剣に考えていて、
「高座がなければ、この人は人間のクズなんです!」(笑)

 環境が人を強くする。
 そして、
 孝蔵も、四三(中村勘九郎)も、どうしようもない子供だが、彼らの手綱をしっかり握っているのが女性たち。
 田畑政治にとっての酒井菊枝(麻生久美子)もそんな存在になるのだろう。
 女性は強し!
 実にたくましい!


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4 コメント

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逆転 (TEPO)
2019-08-12 13:54:40
高石選手を出すかどうかという問題をめぐって、政治と松澤一鶴との意見が前回と正反対だったのが印象的でした。
政治の「メダル至上主義」―私が彼に共感しづらい一因ですが―をめぐる松澤や選手たちとの軋轢が「スポーツが日本を明るくするんだよ!」という政治の言葉で解決し、選手団の心が一致したのが前回でした。
政治に良いところがあるとすれば、「冷徹な目的合理性」ということでしょう。
これは「将」となる人には重要な資質で、たとえば東条英機が戦争に突入したのは部下思いの人情家であった彼が冷徹になれなかったためだったという説もあるようです。
ところが今回、「タイム」という客観的事実に依拠して目的合理性を主張したのは松澤で、日頃とは裏腹に情に流されていたのは政治の方でした。
今回の政治の「ブレ」、どう評価したものでしょうか。

>孝蔵も、四三も、どうしようもない子供だが、彼らの手綱をしっかり握っているのが女性たち。田畑政治にとっての酒井菊枝もそんな存在になるのだろう。

問題児揃いの夫たちにとって「余りに都合の良い」出来過ぎの妻たちかもしれません。
それでも、菊枝さんは私にとっての楽しみです。
政治が事前に書いておいたテンプレートを託されている段階で、彼女はすでに―あくまでも仕事の上でですが―政治の「分身」。
今回も台詞はひと言もなく、彼女の自己表現は鉛筆が書き出す文字だけ。
予め書いてあった「金」の横に「同」と添えて「銅」に書き換える。
心は政治と一体の彼女の肩を緒方編集長が優しく叩く場面が良かった。

マリーさんの占い、確実に「真逆が当たり」となるくらい外れるのですね。

「日系人の複雑な思い」の代弁者ナオミさん、日本選手団、特に政治に対してはほとんど「アンチ」でしたが、多分来週あたりで心が通うんでしょうね。
Unknown (ロギー)
2019-08-12 18:26:43
選手村は夢の世界ですね。
政治が子供みたいな事をほざいてた際は良い大人が駄目だろうと思いましたけど。
ヒトラーとムッソリーニの名前が出て、次回のベルリン五輪の伏線が出て、政治は楽観的で空気を読めない発言をして治五郎先生に叱られましたけど。
選手村というフェンスの中は別世界という脆い状況なのを改めて認識します。

大横田が負けたのは確実に占い婆のせいですな。
あの婆さんがやらかしたお陰で政治は婆さんを罵って怒りを覚えてましたね。
自分も思わず同感してましたが、それでも彼女がいるから全種目制覇がとん挫しても政治が投げやりにならず前へ進められるんでしょうな(占い婆さんはいらんと思ったんですが、こういうときに使えますね)
帰国したら、政治は占い婆さんに八つ当たりをするんでしょうね。

高石を出場してれば、勝てた可能性もあります。
しかし、負けたら散々にたたかれるオチは見えてます。
ただ、メダルをたくさんとって日本を明るくしようと試みる政治も情というか人間味はあったのはどこかホッとします。

それにしても、真打だった孝蔵は破門されてから災難続きですけど。
この頃の逆境と嫁さんに尻を叩かれながらも彼女の助けがあったからこそ、孝蔵は五代目古今亭志ん生になったんでしょうね。
しかし、この孝蔵を語り部にしたんですかね?
彼はオリンピックと接点があるわけじゃないです。
ここら辺はクドカンが終盤で明かすのですかね?
ノリと直観 (コウジ)
2019-08-12 21:01:21
TEPOさん

いつもありがとうございます。

確かに政治、ブレてましたね。
人間は矛盾を抱えた存在でありますし、作劇上の面白さから今回は敢えて逆転させたのかもしれませんね。
あるいは、政治は合理的な人物であると同時に、ノリや直観で生きている?
冷徹な合理的な人物ですと、厳重な食事管理をして牛鍋は食べさせないでしょうし、合理性を突き詰めれば、『大久保利通』みたいな人物になってしまう?

菊枝さんの台詞は楽しみになってきましたね。
いつ、いかなる状況で、どんなことをしゃべるのか?
今作はいろいろな仕掛けが施されていますね。
マリーさんの占いもそうで、真逆になるのが定番になっている(笑)

さて来週はいよいよキューカンバン・ナオミさんですね。
日系人の複雑な思いを抱えた彼女が何を話すのか?
ディズニーランド! (コウジ)
2019-08-12 21:19:39
ロギーさん

いつもありがとうございます。

>選手村は夢の世界ですね。
政治たちがロサンゼルスに到着した時の前々回のエピソードではミュージカルシーンがありましたし、まさにディズニーランドのような夢の世界なんでしょうね。
「あ~あ。帰りたくないな~」というのも完全に子供!
そう言えば、宮藤官九郎さん所属の劇団は『大人計画』でしたよね。

孝蔵は四三と同時代人ですし、その破天荒な生き方が宮藤官九郎さんの琴線に触れたんでしょうね。
ただ、おっしゃるとおり、オリンピックにはあまり関係のない人物で、現状、ドラマでは『語り手』以上の役割を果たしていない。
おそらく今後も田畑政治らオリンピックに関わるっ人たちとの絡みはなく、戦争の語り手として孝蔵は出て来るのではないかと思っています。

さて、どうなるか?

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