平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

それでも、生きていく~会話、弾んじゃってる感じですよね

2011年08月05日 | その他ドラマ
 響子(大竹しのぶ)の10分にわたる長ぜりふ。
 「幸せそうな母と子を見ると消えてなくなってしまえと思った」
 「前向きに生きようと語りかける人に憎しみを感じた」
 「母親が子を奪われるということは、人でなくなるということ」
 壮絶な告白。
 <憎しみ><怒り><哀しみ><後悔><無力感><喪失感><罪の意識>
 響子は15年間、心に嵐を抱えて生きてきた。
 表面上は穏やかでも、心の中は決して休まることがない。
 心から笑うこともなく、周囲には偽りの自分を見せる演技。
 これはつらい。
 誰かに自分の思いをぶつけることが出来れば、まだ楽になれたのだろうが、それも出来なかった。
 そして、今回15年間の思いがマグマのように噴出した。
 カメラは様々なアングルから響子をとらえる。
 すごい緊張感。下手な役者がやったらたちまち崩壊してしまう。

 今回の告白。
 結果としてはやった方がよかったのだろうと思う。
 忘れてしまえるのならともかく、忘れられないのなら、徹底的に向き合うしかない。
 過去に囚われている時間を再び動かすためには、どんな悲惨な現実であっても見るしかない。
 そして、この向き合う行為は、響子だけでなく、双葉(満島ひかり)、駿輔(時任三郎)、洋貴(瑛太)、すべての事件の当事者たちが始めた。
 この帰結はどこに行くのか?
 彼らが心から笑える日が来るのか?

 双葉と洋貴の関係は面白い。
 「深見さん、私がお風呂入る所…(想像しているんですか)」「してません!」
 「何かちょっと会話、弾んじゃってる感じですよね」「何興奮しているんですか?」
 このビミョーな距離感。近づきたくても縮められない距離。
 恋人でも友達でもない奇妙な関係。
 双葉はどんどん変人になっていく(笑)。
 「スプーン曲げられるようになりたいです。すごくないですか?」
 これも下手な役者がやったら面白くない。満島ひかりさんがやるから味が出る。

 今回のタイトルは『居場所を求めて』。
 双葉は実家にも、洋貴の所にも、祖母の所にも居場所を見出せない。
 そこへ現れた兄・文哉(風間俊介)。
 では双葉の居場所は文哉の所なのか?
 洋貴の所のような気がしてならない。
 すべての嵐が吹き去って、ふたりが湖で船を浮かべている姿が目に浮かぶ。



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2 コメント

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見当ちがい (わかば)
2011-08-05 23:57:27
五月、違っていましたね。
文哉のような少年を担当(?)する看護師さんってそんなに若いんだとびっくり…。

私も双葉のことを、その痛みごと受け止めることができるのは、洋貴だろうなと思います。でも…。
切ない場面が続きますね。
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痛みの共有 (コウジ)
2011-08-06 09:22:17
わかばさん

コメントありがとうございます。
五月の母が行方不明の看護師というのは違っていましたが、五月には裏がありそうですね。
恋愛感情というのも不自然な気がしますし。

>双葉のことを、その痛みごと受け止めることができるのは、洋貴だろうなと思います。

そうですよね。
双葉と洋貴だけでなく、ふたつの家族が理解し合えるのは<痛みの共有>しかないんでしょうね。
ドラマが今後どう発展していくのか、楽しみです。
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